26 ページ26
・
｢そんな見られたら食べにくいんだけど｣
大我くんの持っているドーナツを食い入るように
見ていると不満そうな声が聞こえた。
はっと顔を上げると、大我くんとぱちりと目が合った。
｢ごめん、おいしそうだから見ちゃってた｣
｢ドーナツ好きなの？｣
｢うん、好き｣
｢ふーん｣
すると大我くんはにやりとして
｢じゃあさ、俺とドーナツだったらどっちが好き？｣
顔の横にドーナツを持って意地悪な質問をしてきた。
これはぜったい確信犯。
答えなんて言わなくてもわかってるでしょ？
｢…………大我くん｣
顔に熱が集まっていく。
大我くんは満足そうにくすりと笑った。
最初に告白した時はこんなに恥ずかしくなったのに。
・
｢ってかさ、あんたって俺のどこが好きなの？｣
ドーナツを頬張りながらさらりと聞いてきた。
好きになった理由は大我くんに会う前から
念入りに考えていた。
ぼろを出さないために。
私の目的がバレないために。
｢…仕事にストイックなところとか歌が大好きなところとか｣
そして大我くんを欺くために。
__________でもね
｢…あと態度は冷たいけどほんとは優しいところとか
たまにだけど私の前でも笑ってくれるところとか
あげたらキリないけど、大我くんと一緒にいるとね
どんどん好きなとこが増えていくの｣
これはホンモノだよ。
嘘は1ミリもない。
｢わかったから黙って｣
｢え、ちょっ｣
大我くんは私の口にドーナツを押しこんだ。
もごもごする私をみてうれしそうに目を細める。
ねぇ、大我くん。
これ間接キスだって気づいてる？
｢あははっ、リスみてぇだな｣
こんなに笑ってるから気づいてないか。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 835人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すず(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!ぜひきゅんきゅんしちゃってください笑これからも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年3月9日 22時) (
レス) id: 9dcddaef74 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませてもらっています！続きめちゃめちゃ気になります。これからも頑張ってください。 (2021年3月9日 14時) (レス) id: eca9d0649e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すず | 作成日時：2020年12月20日 13時
