17 ページ17
・
目を覚ますと知らない場所にいた。
ガラス張りの一面から見える景色は暗い。
もしかしてここホテル？
でもなんでこんなところに……。
SixTONESのみんなと飲んでトイレに行って
社長に会ったところから記憶がない。
｢あ、起きた？｣
聞き覚えのある声に振り向けば
｢大我くん？｣
少し不貞腐れてる大我くんがいた。
｢酔ったあんたをここまで連れてきたせいで
腕パンパンなんだけど｣
私お酒飲んでそのまま寝ちゃってたんだ。
大我くんが運んでくれたとしたら申し訳ない。
｢ごめん、ありがとう｣
｢水とかここに置いとくから適当に飲んで｣
そう言ってドアの方へ向かう大我くん。
私はその指を掴んだ。
｢…………何？｣
私は大我くんをオトすために彼に近づいた。
最初の私だったら、こんな機会見逃すわけがない。
『恋なんて面倒な感情は捨てなさい』
そんな社長の言葉を思い出す。
私は彼を騙す悪い女。
ただそれだけ。
彼に恋心を抱く女になってはいけない。
｢えっと…………寂しいから一緒に寝てほしい……｣
上目遣いで大我くんを見つめる。
私の言葉も眼差しも全部全部ニセモノだ。
｢…………いいよ｣
｢え、｣
｢自分から言っておいてなんでびっくりしてんの｣
大我くんは馬鹿にするように笑う。
まさか一緒に寝てくれるなんて思わなかったから
普通に驚いてしまった。
｢なんでおっけーしてくれたの？｣
｢今、外出ても寒いじゃん｣
思ったより単純な理由だった。
もう11月だもんね。
ちょっとだけ期待した自分がいたのは秘密。
｢狭いからのいて｣
言われるがまま端っこに寄ると腰に腕を回された。
いきなりのことに心拍数が急上昇する。
後ろから抱き寄せられる体制で大我くんの髪の先が
顔に触れてくすぐったい。
｢そんな端っこいったら落ちるに決まってんじゃん
もっとこっちきて｣
耳の近くで言うから甘く聞こえる。
｢……うん｣
ぎこちなく距離を縮める。
お互いの肩が触れるか触れないかぐらい。
｢おやすみ、大我くん｣
｢朝まで絶対起こさないで｣
｢わかったわかった｣
目を閉じると眠りに落ちた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 835人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すず(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!ぜひきゅんきゅんしちゃってください笑これからも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年3月9日 22時) (
レス) id: 9dcddaef74 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませてもらっています！続きめちゃめちゃ気になります。これからも頑張ってください。 (2021年3月9日 14時) (レス) id: eca9d0649e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すず | 作成日時：2020年12月20日 13時
