好きになるなんて番外編 (ページ30)

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田「ふは、動揺しすぎ(笑)」

「だ、だってだってだって！今、Aって…」

あまりに動揺っぷりに思わず笑ってしまう。
未だに、「え、うわ、え、まじか〜…」なんてワタワタしてるし、顔も赤い。

滅多に見れない彼女の姿に俺、めちゃくちゃニヤけてると思う。

田「そろそろ名前で呼び合いたいなと思ってるんだけど」

「え、あ、名前ね…うん」

田「……嫌、だった？」

「ち、違うの！まだAって呼ばれたことの衝撃というか、胸きゅんがおさまってなくて…！」

胸きゅんって(笑)

でも、専門家(？)の望月さんと幼なじみの慎太郎の予想を見事にひっくり返してくれて、俺的にはすげー嬉しい結果になった。

あとは、彼女の口から俺の名前が聞ければいいんだけど。

「さ、さっき、なっちゃんよっちゃんと話してた時、私もそれは思ってて。未だに苗字呼びはあれなのかなって。ほら、あの2人は名前呼びでしょ？」

田「まあ、でもアイツら友達の期間で既に名前呼びだったし」

「でももう付き合って3ヶ月？くらい経つから。……じゅ、樹くんって呼びたいなって、思って、ました」

うわ、呼ばれちゃった。しかも樹くんって。
これは、マジで胸きゅんだわ。

田「あー……やばいね。めちゃくちゃ嬉しい」

「へ、変じゃない？」

田「全然変じゃない。むしろいい感じ」

「いい感じ？(笑)」

田「これからは、お互い名前呼びってことで…でも多分苗字呼びが長かったから、普通に苗字で呼んじゃいそうだけど」

「確かに(笑)でも、なんか、あれだね。名前で呼び合うとさ、より恋人感あっていいね」

へへって、少し照れながら笑うA。

そんな可愛いことまで言ってくれんの？名前呼びのオプションすごくね？

まだどこかぎこちないけど、ちょっとずつ恋人らしくなってきてる俺たち。

名前呼びなんて、一般の恋人連中には当たり前レベルの話なのかもしれない。
でも元々、俺らは俺らのペースでやっていこうって言っていたから。

「でもさ、なんか慎太郎辺りに明日すごく冷やかされそうな気がするんだよね」

田「それは俺も思う」

翌日、しっかり冷やかされた。

おわり
　