好きになるなんて番外編 (ページ28)

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田中くんは名前で呼ばれたいページ28

矢田さんと付き合い始めて3ヶ月が経とうとしている。

お互いベタベタするようなキャラじゃないから、付かず離れずな程よい距離感で、矢田さんの隣にいるのすごく心地いい。

あーめちゃくちゃ俺幸せ者だなって思う。でもそれと同時に1個だけ気になることがある。

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田「そろそろ名前で呼ばれたい」

松「……俺ら呼び出したのそれ話すため？」

放課後、お決まりのメンバーを集められるだけ集めて緊急会議を開いた。

ちなみに高地は部活で不在。

莉「…私が呼ばれた理由は」

森「姉さんはA専門家のスペシャリスト枠っすよ！」

莉「どんな枠だよ」

望月さんにも来てもらった。ちなみに矢田さんは別室で、榎本さんと大野さん(よっちゃん)に相手をしてもらっている。

田「ジェシーはさ、どうやって名前呼びになってったわけ？」

ジ「ええ？俺ら最初っから名前呼びだったからわかんねえよ！」

田「ダメだ、話になんねえ」

ジ「だあ！聞いといてその態度はなんだよ！」

森「俺も物心ついた時から名前で呼び合ってたからなあ〜」

田「謎にマウント取ってくんのやめれる？」

なんか謎に慎太郎にマウント取られて、ぶん殴りたくなった。

お前はいいよな！！幼なじみだから名前で呼んでもらえて！こっちは彼氏なのに未だに田中くん呼びだよ！

莉「まずはさ、田中くんがAのことを名前で呼ぶことから始めないとじゃない？」

森「そーだそーだ！自分は名前で呼んでないのに名前で呼ばれたいなんて虫のいい話にも程があるぞ！」

莉「あんたはそうやって煽ることすんな」

森「痛え！」

俺の代わりに望月さんが慎太郎をシバいてくれた。

……確かに、俺も彼女のことはずっと矢田さん呼びだ。

ムカつくけど慎太郎の言う通り、自分は呼んでないのに名前で呼ばれたいなんてのは宜しくない話だ。

京「とりあえず1回この場で名前呼んでみなよ。はい、SAY！」

田「え！？今！？あ、え、あー、……A、ちゃん？」

莉「ちゃん、はいらないかな」

松「てか名前呼ぶくらいでそんなアタフタすんなよ」

森「なんっか硬いな〜」

なんかめちゃくちゃイチャモンつけられてる。相談する人たち間違えた？

莉「Aはあんまり反応なさそうだけど」

森「あ、確かに！樹、頑張れ！」

本当に応援してくれてる？