＊ ページ35
田中side
慎太郎やジェシーがいつものように騒いで、うるさくて、いつもならすごく楽しい楽屋。
なのに、俺はそれをうるさい、嫌だと感じてしまった。
みんなはなんでそんなに呑気に騒げるの、なんでみんな上手くいってるのに俺は上手くいかないのって。
そう思ってしまう俺自身が1番嫌だった。
「はぁっ、」
今日のMV撮影もミスって怒られるのかな、なんて妙に不安になり、焦りが生まれる。
急に、嘔気が込み上げてきて、トイレに逃げ込んだ。
「げほっ、げほっ、おえ、」
咳と一緒に出てくるのは胃液だけ。
そりゃ、最近何も食べていないし、仕方がないだろう。
どれだけ胃液を吐いても、すっきりせず、暫く便器を抱えていた。
？「…大丈夫？無理しないで、吐けるだけ吐いちゃお」
大好きな大きな手が背中に触れて、大好きな声が聞こえてきた。
「じぇ、し…」
ジ「ジェシーだよ、苦しかったね、辛かったね、」
「じぇ、し、くるし、よ、つらい、も、やだ…」
ジェシーのおかげか、あんなにすっきりしなかった嘔気は治まり、今度は涙が止まらなかった。
「ふぇぇっ、も、やだよ、わかんない、ひっく、」
涙で顔はぐちゃぐちゃだろうな、と冷静な自分と、何故かジェシーには全部話しちゃったよく分からない自分がいた。
ジ「ん、ん、樹はよく頑張ってるよ、大丈夫。」
"頑張ってるね" "頑張ったよ" 俺が最近求めていた言葉だった。
誰かに認められたかったのだと気付いた。
ジ「1人でよく頑張ったよ。けど、これからはさ、俺らにちょっとくらいは頼ってよ。俺、樹の力になりたい。」
「じぇ、しぃ、なみだ、とまんないっ、、」
ジ「も〜、ほら、トイレ寒いから、楽屋戻ろ」
ジェシーに支えられながら、その間も涙はポロポロと溢れ出し、止まる気配はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 670人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちーずけーき。(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けると嬉しいです！ (2021年1月19日 9時) (
レス) id: 8ddafbb3f2 (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、このことを知っているのは高地くんだけで、ある日、高地くん以外の５人で仕事中に失敗して、数名のスタッフに笑われたとき、ほかの４人が抗議したり、北斗くんをかばってあげたりする話をお願いします。 (2021年1月19日 3時) (レス) id: dee5ef993d (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストですが、北斗くんが過敏性腸症候群で、トイレに間に合わないことが日常的になってしまい、オムツが手放せなくなる話をお願いします。 (2021年1月19日 3時) (レス) id: dee5ef993d (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 楽しく読ませていただいています。これからも楽しみにしています。お互い頑張りましょう！ (2021年1月17日 19時) (レス) id: 752788f7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちーずけーき。(プロフ) - そらゆきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです！！どちらのサイトで書かれているのですか？？もし良ければ、読んでみたいので、差し支え無ければ、TwitterのDMで聞かせて欲しいです！！これからもよろしくお願いします！ (2021年1月16日 0時) (レス) id: 8ddafbb3f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちーずけーき。 | 作成日時：2021年1月13日 0時
