星のラブレター

reality -T ページ6

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玉｢…ねぇ。


そこでなにしてんの、南さん。｣



｢玉森くん…。｣



玉｢また振られた？｣



｢…｣



どうしていつも、私が泣いているところに現れるの？

玉森くんに、いつも見せたくない姿見せてる気がする。

まともに話したことのないクラスメイト。

今日、ほぼ初めて話したかも。




玉｢南さんって、泣いてるイメージ。｣



泣いてる私を見て、こう言った。

別に、いつも泣いてるわけじゃないのに。



彼氏にふられて誰も来ない別館の図書館で泣いていのに。


｢…玉森くん、なんでこんな所にいるの？｣


ここって、古い本しか置いてないから、ほとんど人が来ないのに。

玉森くんが来るイメージなんて、全くないし。



玉｢図書館でしょ、ここ。


本を読みに来たんだけど。｣


そんなふうに言うけど、本をとってペラペラーっとしてすぐに戻す作業ばっかやってる玉森くん。


｢つまんないよここにいても。｣


玉｢つまんなくないよ。


南さん、本好きじゃん。

どれがいいか教えてよ。｣




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あれから私たちはよく話すようになっていた。


よく本の話をして、オススメを教えたりしてるんだけど、意外と玉森くんが本を読むってことを知ってびっくり！


玉｢Aはさ、見た目通りだよね。

性格も中身も。｣


｢どういう意味？(笑)｣



いつの間にか、玉森くんから玉ちゃんに。

南さんからAへと呼び方もかわっていた。



これが、高３の春だった。


彼氏に振られる理由は、つまらないから。

私といてもつまらないんだって。


自分でもその理由わかる。

だって正直わたしもつまらなかったから。


でも、ちゃんと好きだったし楽しませようって思ってたんだけどなぁ。



玉ちゃんといると、自分が自分じゃないみたい。

テンションだって上がるし、声を出して笑える。


…私、玉ちゃんのこと好きになったんだ。



｢玉ちゃんって、大学行くの？｣


｢いくよ。

県外だけど。｣



…県外！？


Aは？っと聞かれたけど、まだ考えてないってこたえた。

…玉森くんと同じ大学に行きたいっておもってたけど、現実はうまくいかないね。


県外だったら一人暮らしだし、そんなことしてまでやりたいことなんてないから。



玉｢Aはさ、やりたいことあるの？｣


｢…わかんない。｣



玉｢俺も正直わかんないよ。

兄貴がいるからそこ行くってだけでさ。


将来なんて分かんないよね。｣




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