＊72 A.Side ページ12
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阿 「もう大丈夫そう？」
凛 「はい…本当にありがとうございました」
阿 「途中まで送るよ」
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気付いたらもう店を出て２時間も経っていた。
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ベンチから立った瞬間、一瞬ヒヤッとした風が俺を包んだ。
こんな間にもAちゃんは俺を待ってくれているのかなぁ…いや、でもさすがに。
もうとっくに帰ってる。ねぇ、そうだよね？
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進んでいく足音。会話ひとつない空間で
ゆっくり静寂を破ったのは下野さんだった。
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凛 「阿部さんって付き合っている方とか居るんですか？」
阿 「えっ、なんで？」
凛 「急にこんなこと聞いてごめんなさい。でも気になって…」
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予想だにしない問いかけにびっくりして、思わず高い声が出てしまう。
下野さんはなんでそんなこと聞くんだろう。全然分かんない。
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阿 「…彼女は居ないよ」
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そう一言言うと、『…そうなんですね』とそこから会話が途切れる。
でもそれはほんの一瞬で。
次の瞬間、下野さんは俺の目をゆっくりと見上げた。
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凛 「あ、の…私、今日で阿部さんのこと」
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凛 「…もしよかったら私と」
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彼女は先を行く俺の前に足を止める。
真剣で、真っ直ぐな瞳が俺を見る。彼女の言いたいことはなんとなく分かった。…だけど。
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阿 「…ダメ、だよ」
凛 「えっ」
阿 「…ごめんね。俺は下野さんのことそういう風には見れない」
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確かに下野さん可愛いし、本音はいい子そうだし他の男なら放っておかないと思う。
けど、俺にはそんなのどうでもよくって…
俺はただ真っ直ぐに本当の僕を見てくれる人だけを見つめていたい。
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俺の言葉を聞くと、彼女は分かりやすく眉を下げた。
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凛 「…やっぱり、阿部さんには想う人が居るんですね」
阿 「えっ？」
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ぎこちなくそう笑う下野さん。
想う人？えっ、何の話？
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凛 「好きな人。…居るんでしょう？」
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くろーばー。(プロフ) - やぎさん» コメントありがとうございます（ ; ; ）本当ですか(T-T)そう仰っていただけて大変光栄です…！某雑誌のですね！確かに言われてみればそうかもしれないです、笑これからも楽しんで頂けるようどうぞ宜しくお願い致します(^^) (2021年7月8日 22時) (
レス) id: 9543ff9850 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 文章の書き方が好きで、投稿作品を一気に拝見しました。告白シーンのあべちゃんが某誌の100問100答Q38を彷彿とさせてすごくグッときました。これからも他作品の投稿を楽しみにしています。 (2021年6月17日 22時) (レス) id: 5e8ed22b90 (このIDを非表示/違反報告)
くろーばー。(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます！！嬉しいです（ ; ; ）最後はアイドルとしての彼を書きたくてこのような終わり方に致しました(^^)阿部ちゃん担の方にそう言って頂けるなんてとても光栄です(>_<)こちらこそよろしくお願い致します...！！ (2020年11月19日 12時) (レス) id: ca5e5e8cfd (このIDを非表示/違反報告)
nana - part4も楽しみにしてます！！ (2020年11月15日 21時) (レス) id: a71ddf71e5 (このIDを非表示/違反報告)
nana - くろーばー。さん！感動しました>_<読んでる時はこれどうやって終わるの？ってちょっとそわそわしてました。でも完結おめでとうございます！！最後まで笑いあり涙ありでした！阿部ちゃんのことがもっと好きになりました！同じ阿部担としてよろしくお願いします！ (2020年11月15日 21時) (レス) id: a71ddf71e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年10月16日 20時
