いつだってそばにいて (ページ9)

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「カイが、見たかったテレビ見てて、」

「うん、」

「...でも紫耀がリモコンずーっとポチポチするから全然見れなくて、」

「うん」

「...リモコン取り上げて、少し怒っちゃった。」

「んーそっかそっか、教えてくれてありがとう。無理やり取り上げるのはいけないことだけど......」

これは俺の持論なんだけど、家族だから、障がいだからって俺らが全てを我慢する必要はないと思ってて、それこそ全部を溜め込むような窮屈な生活はしたくないしさせたくない。

「言っても聞いてくれなかったんでしょ？海人はそのテレビ見たかったわけだし、イラついちゃうこともあるよ笑」

それだけ？って言いたげな表情で少しビクビクしながら俺を見る海人。

「ふふ、別に怒んないよ、」

海人の目には、今にも溢れそうなくらいの涙。

「しょう、ごめんなさい...」

パニックで少し疲れた紫耀にその言葉が届いてるかは分かんないけど。

こうやって自分の非を素直に認めて真っ直ぐに謝れる海人は本当に偉いと思う。

そして俺はその日のうちにボタンが沢山ついた、感覚を刺激するおもちゃをネットで頼んだ。

終