いつだってそばにいて (ページ18)

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「あれ、しょーり、今なんの時間だっけ？」

そう風磨が聞けば、ハッ！て顔をした勝利は授業中だと思い出したのか、テテテッと学習机に戻る。

俺と風磨のコンビも、2年目にしてだいぶ板についてきたと思う。

「そ、よくできました。」

「んー、紫耀、涙止まらないね？」

教室に入りさえすれば、涙も止まるかなと思ってたけど、今日はまだ気持ちが切り替わらないみたい。

「ん～っ」て絞り出すみたいに涙を流す紫耀がやっぱり気になるのか、どことなく不安げな目でチラッチラッて勝利がさっきからこっちを見る。

「しょー、うさぎさん行こっか？」

「うん、行ってきな。」

うさぎさんっていうのは、窓にうさぎのシールの貼ってあるこの階の1番端っこの部屋。知的障害を持つ子のいっぱい通う学校だから、こうやって気持ちが落ち着かないときとか、パニックになっちゃったときに避難できる場所があればって、一学年に一部屋ずつ、校長先生が作ってくれた部屋で。

他の学年は、犬とか、猫とか、動物の種類が違うようになってる。

ここじゃ明らかに勝利の学習の妨げになっちゃうしね。

今度はあんまり自分から歩きたがらない紫耀を優しく引っ張りながらうさぎさんに連れていく。

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