いつだってそばにいて (ページ15)

今日:6 hit、昨日:99 hit、合計:526,453 hit

2 ページ15

.

出発しても、「あー」とか「うー」とか言ってる紫耀は多分まだ気持ちの切り替えができてなくて。

信号に引っかかったから、紫耀の顔を覗き込むと、ポロポロ、涙が溢れてる。

いつもの泣きじゃくる感じじゃなくて、シクシク泣いてるから、なんか可哀想になってくる、

ダメだ、ここは厳しく。

「紫耀、泣きません。」

そう言うと、ギューッと耳を塞ぐ。

これはひとの要求を聞きたくないときの合図。きっと今の紫耀は泣きたい気持ちなんだろうな。

学校の敷地について、駐車場へ入ると、

「あ、健人先生いるよ、紫耀。」

中島健人先生。紫耀の担任。人見知りがちな紫耀が、すごく懐いてる、死ぬほどイケメン。

さっき、今から行きますって連絡をしたから、出迎えに来てくれたんだろう。

駐車場の空いてるスペースに車を停めると、タタタッて車に寄ってきてくれた健人先生。

助手席のドアのロックを外すと、ガチャッとその扉を開けてくれる。

「紫耀おはよう！、、、んー、今日は難しいね笑」

毎朝欠かさずやってるらしいハイタッチも、今日は紫耀が手を出さず(苦笑)、イケメンに悲しい顔させちゃダメだぞ！紫耀。

.