13 ページ13
･
『ごめん！過去問明日もってく！』
そうみっちゃんからメッセージがきて、結局最後まで北斗と2人きり。頭のいい北斗に助けてもらう形でレポートも進んだから感謝しかない。
「今日は帰らない？外暗いし、送るから」
「いや、走るよ。わたし」
「……嫌なら仕方ないけどさ」
そう言われたら断り続けるのが逆に申し訳ない。「じゃあ、コンビニまで」ってお願いして、一緒に歩き出す。勉強教えて貰って、送らせるなんてなんてワガママ野郎なの、わたし。
「……すみません、まつむらさん」
「しょんぼりすんのやめて(笑)あれ…やっとマフラー引っ張り出したわけね」
「ばれた？やーっと衣装ケースをあけたよ」
「やっぱり昨日寒かったんだ。馬鹿だね。」
「うるさいよ。ほくと。…あ、明日雪マーク。」
スマホの天気予報に表示された雪だるまマーク。いくつになっても雪が降るとわくわくする。楽しみでにやけてたら隣の北斗が笑った。「そんな嬉しい？雪降るの」寒がりの北斗はあんまり嬉しくないのかもしれない
「雪降るとね、出てくるモンスターも変わるんだって」
「………あぁ。アプリの話？」
「そう！私はまだ最近始めたからね、しらなかったんだけど。去年の雪降った日はいろんなのがでたって。大我先輩が、」
言ってたんだよね、ってどんどん小さくなる語尾。なんとなく気まずくて、北斗の顔をちらりとみた。「別にいいんだよ、俺はAの友だちで。そうやって笑ってる方が安心するんだからさ」って。もう本当に北斗に足向けて寝られない。
「ほくと、送らせてごめんね。ありがとう」
「いーえ。気をつけて帰るんだよ、何かあったら連絡して」
「……良い奴すぎて引く。」
なんだそれ、って笑う北斗をコンビニの前で見送って。それから明るい店内につられるように入って温かいミルクティを買った。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1750人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七七盛(プロフ) - 最後まで一気に読み上げました！沢山の登場人物がいるにも関わらずきちんと描写が伝わってとても読みやすく引き込まれました！出てくる人たちも一人一人キャラが立っていて…だからこそ辛いなぁと感じる展開もありましたが最後まで期待を持って読ませて頂きました！ (2022年2月8日 23時) (
レス) id: 3ec5ecab0a (このIDを非表示/違反報告)
KiiiiLA(プロフ) - 初めまして、ここにきてたいが先輩どーした！ ってくらい主人公ちゃんと一緒に胸をいためております(T_T) わたしはたいが先輩応援派だからよけいにだったんですが、ここにきてたいが先輩の気持ちが見えなくて苦しいです。 続き楽しみにしております！？ (2021年11月24日 13時) (レス) id: f5fdf1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月24日 0時
