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「…うわ。変な顔」
悪口とともに返される携帯。半目なのも、口開けた写真も、まともな写真なんて1枚もない。隣の人は真顔なのに綺麗なのずるい。
「連写、やめてくださいって。」
「思い出ってことで」
「ならもっと普通に撮りたいですよ」
じゃあ今度は笑えよ、って当たり前みたいに私のスマホを手に取った。また引き寄せられてぎこちなく笑った。今度は1度だけなったシャッター音。
「………変な顔」
「さいてーですね、本当に！」
「うそ。…俺にも送っといて。」
投げるみたいに手渡されて戻ってきたスマホ。画面にはやっぱり真顔の大我先輩と笑顔の私。大我先輩の隣の私はこんな風に笑ってるのか、なんて恥ずかしいことを考えた
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大我先輩はまた私の手を引いてくれて、行きの時よりももっとゆっくり階段を下った。途中で何度か振り返って私の方をみる先輩に「すみません」って謝りつつ
「今日はありがとうございました」
「なにが？」
「…花火、付き合ってくれて？」
「俺がお前を付き合わせたの。…ばか？」
そんなことないよ、って言えば良くない？ 普通に、優しく。でもそんなところがこの人らしいな、
チラホラといる浴衣姿の人達に追い越されるくらいゆっくりと帰り道を歩いた。バスに揺られて私のアパートの前まで送ってくれた先輩は「気をつけて」なんて、これから30分かけて帰るくせに最後まで私を気遣ってくれた
「すみません、結局送らせてしまって」
「べつに。普通でしょ、こんなの」
「ありがとうございました」
楽しかったです、と大我先輩を見送ろうとするとじ、と顔を見つめられる。何か言い出すのかと見つめ返すけど、待ってみても見つめ合う時間が続くだけ
「……どうしました？」
なんかついてますか、なんて痺れを切らして声をかけたら眉間にしわ寄せて「あのさ、」って切り出される
「……また大学で」
「あ、はい」
それ言うためにあんな怖い顔してたのか。「あとで写真送りますね、」って手を振って見送ったのに、なんでか名残惜しい。大学始まるまでだいぶあるのに…ってまるで会えないのが寂しいみたい
背中を見てたら無言で振り返り、別れたまま動かないでいた私に「うお」って驚いた先輩
「………次何したいか、決まったら連絡して」
「え？」
「1週間以内」
言い逃げするように、今度はスタスタと歩いていく。一方的な約束が嬉しく感じるのはなんでだろう
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
