22 ページ24
･
私と先輩、脅かすのに向いてないのかもしれない。今のところ全敗。飛び出すと「ふふ」って笑われて「こーちかよ！」って男女の先輩共に安心感を与えてる高地先輩。
「………俺ら脅かし役むいてなくね？」
「私も今思ってましたよ…」
また懐中電灯の光がみえて、脅かす準備をする。「ほっくん、手繋いでもいい？」って。本当に脅かし役なんてやらなきゃ良かった。「…あ、うん」って北斗の声。聞きたくなかったかも。そういえば、桜庭ちゃんはみっちゃんと同じチームだった気がする。
「Aちゃん、もー少し俺の後ろいく？」
小声で高地先輩に促されて、隠れるみたいに高地先輩の後ろにひっそりしゃがみこむ。「わ！」って1人で飛び出していった先輩に心の中で感謝。でも、なんで知ってるんだろ。先輩。
「びびった…大丈夫？幸音」
「……びっくりして声出なかった。」
笑って歩き出す2人。気づかれなくてよかった。2人の背中を見おくって「ありがとうございます」ってお礼を言う。
「大我が松村くん？は俺一人でちびるまで驚かせって無茶言うのよ」
「………そうですか。変な先輩ですね」
「ねー。最近は特に変かも。俺はいい変化だとは思うけど」
もっと我が道を行く感じだったからね。あいつ。っていう高地先輩の言葉に驚く。もっとマイペースだったの、あのひと。
「今も結構…あれじゃないですか？」
「んー(笑)まぁね。でもなんかAちゃんのことは気にしてるみたいよ、先輩として？」
「………たまに優しいから、ずるいですよね」
あとさ、これ言ったら絶対俺、殴られるんだけどさ。って更に声を潜めて高地先輩は言った。
「大我先輩、って呼ばれるの嬉しいんだってさ。」
「………なんでですか」
「顔はいいけど、あぁいう性格だからね。慕われないのよ(笑)」
仲良くしてやってね、めんどくさい奴だけど。って….また言われた。「田中先輩にもそれ、言われたんですよ」遠くに懐中電灯の光、また誰か来るってかまえる。次こそは脅かしたい、せめてビクッくらいほしいよね
「やめないでね、サークル」
「………金づるらしいのでやめませんよ」
あえて大我先輩が言った言葉を使って可愛くない返しをする。高地先輩は笑って「ならよかった(笑)」って。どこまでいい人なんだろ、この人。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1688人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
