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俺はビビって──まだ知り合ってまもないというのに、友だち扱いを受けたことに──しばらく言葉を失ってしまったが、そういうある種なれなれしいといってもいい距離のとり方がまったく不快ではなかった自分がいて、そのことに余計おどろかなくてはならなかった。こういう距離のつめ方が俺は本来苦手なはずだったが、こいつのやり口はスマートで、すきがなく、不快感を抱かせる「ま」もなかった。それどころか、ひとめで美しいとわかるこの男がそんなものいいをしてくるということに、ひとつの優越感を感じてさえいた。
そうだ。グルッペンは美しい。陽光できらめくルビーの瞳がまばたきするたび、あたりにその美しさがこぼれ落ちていく。光の粒となって。
……俺の秘密を否定せず受けとめるグルッペンの両目が、仄々とした熱を持っているような気がした。その視線に、そういうぬくもりを感じたのだ。そのとき。



『おい』

登校してすぐ、グルッペンの机にかじりついた俺を、当事者はのんきにながめて笑っている。

『なに笑ってんだ』
「あっちに行かなくていいのか? 相変わらずお友だちが気まずそうにしてるぞ」
『……いいんだよあいつらは』

普段つるんでる仲間はグルッペンのことが得意じゃないらしい。俺がこいつにからみに行くのを、止めはしないが、快くも思っていない。いつものように「あーあ」みたいな顔してこっちをみているやつらをひとにらみして、俺はグルッペンの前の席に座りこむ。この席の持ち主はまだ登校していないはずだし、問題はない。

『あいつなんなんだ?』
「あいつって?」
『トントンだよ。あいつお前のなんなんだ』
「お前はどうしてそんなこと気になるんだ」
『…………っ』

グルッペンにそうきりかえされて、俺は黙りこんでしまう。そんなの俺だってわからない。あいつがグルッペンにとってどういう存在なのか、何故そんなことばかりが気になるのか。答えがわかっていればこんな苦労はしない。……はずだ。

『そんなの俺だってわかんねえよ』
「そうか。あいつは俺の護衛だよ」
『ごっ……、ご、護衛っ?』

まさか答えがかえってくるとは思っていなかったタイミングであまりにもあっさりと明かされたので、俺は情けなくも声をひっくりかえしてしまった。俺のすっとんきょうなありさまをみて、グルッペンがくすくすと笑う。笑ってんじゃねえ。

▽→←▽追うはかげろう



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- こんにちは!好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます!無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです;!書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした!読んでくださってありがとうございました! (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません!リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです!お願いします! (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます;;ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです!完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います!ありがとうございます! (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エス | 作成日時:2019年6月18日 0時

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