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「──俺はあいつが好きなんだ！」
……とたん、大声。
グルッペンの声だ。この俺がそれを、誤るはずもない。ついた瞬間、飛び出していこうと思っていたのに、足が動かない。
もたれかかろうと手をついたところが靴箱の扉になっていて、ガコン、と大きな音が鳴った。……部屋の中で、がたがたと、忙しない音がする。
「……グルさん！」
今度はトントンの声。声がしたと思ったら、……グルッペンが姿をあらわした。激しく動揺したようすで、冷や汗をたらしている。玄関先で俺の姿をみつけて、グルッペンはしばらく呼吸をとめた。だがすぐに気をとりなおして、庵の外へ飛び出して行ってしまう。
「馬鹿！ なんで来た！」
『だって、いや、それはその』
「追え！ 今すぐ！」
『っ！』
トントンにいわれて、俺はあわてて走り出す。屋敷の中に消えようとするグルッペンを追うために。
＊
「……お前、なにを話した？」
飛び出していったふたりに遅れて庵から出てきたトントンを、大先生が出迎えた。「いや別に。特になにも」
「嘘ばっかや。どうせまた焚きつけるようなこというたんやろ」
「まあ少し、俺の好きな女の話をね」
「……グルッペンの母さんの話か？ 何故そんなこと……」
部外者にそんなことを語るべきではないと、トントンの鋭い目つきが大先生を糾弾していた。だが大先生は相変わらずだ。トントンの視線をあっさり流して、二本目のたばこに火を点ける。
「あいつは特別や」
「……グルさんか？」
「うん。あいつの母とも、祖母とも違う。うつくしい血を継いで生まれたのに、あのふたりにはまったく似ていない。……お前に守られていたからや」
「……俺だけじゃない。もっといろんなやつがいた」
「まあね」
「……だからなんだと？」
トントンがそううながすと、大先生は軽く片眉を持ちあげて笑った。軽妙な笑みだ。きざったらしくて、少しだけ鼻につく。
「あいつは自由やってこと」
大先生がそういうと、トントンはとたんあきれた顔をして、大先生をにらみつけた。
「……だからお前が嫌いや」
「知ってる」
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
