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恋色2days ページ10

「おっはようございます!!!」
意気揚々と気分を変えてオフィスに入っていく。
今日は講義がなかった山本さんが、気まずそうに此方を見た。

何か空気を壊してしまったのだろうか、と慎重に廊下を抜けると。

「あれ、伊沢さん今日休みでしたっけ」
明日も仕事あるし、と言っていたのを思い出す。

「伊沢さんが、倒れた。」


___






ピ、ピ、と無機質な音が刻まれる。
そうだ、俺倒れたんだっけ。
ずっと収録の時も、撮影の時もめまいがしてて。薬で誤魔化してたら、このザマかよ。

まだ寝て居たい、そう思って深い泥の中に埋もれていく感覚の中に、人間の体温があった。

寝てちゃだめだ、俺。

「___さん?!__わさん?、伊沢さん!」
うっすら瞳を開けたその先には、

「____Aちゃん?」

「なん、で泣いて...んだよ」

大粒の涙をいっぱいに溜めて。でも俺にかかるから、瞬きすることを気遣ってる。
その手は、俺の手を慈しむように絡められていた。
いつの間にか花が花瓶に生けられて、彼女が来てからかなりの時間が経っているはずだ。

「そりゃ、あ泣きますよっ、好きな人が、倒れたら...ぅ」
顔を真っ赤にさせて泣いているAちゃん。

俺は無意識に手を伸ばしていたらしい。

人はどうしてキスをするか、一般的な心理は解明されていないが、美しいものを前にした時、人は唇を合わせてしまいたくなる。と書籍で読んで、俺は信じられなかった。

なのに

なのに



無性に彼女に、触れてみたくなった。

柔らかい桃色の唇が、俺のと触れ合った。

彼女は目を見開いて、出し切れていなかった涙が硝子玉のように零れていく。


「おれ、なにしてんだろ」

この気持ちは、否定できない感情で。

紛れもない恋だった。

浅葱色の憂鬱。→←梅色の恥じらい。



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てら(プロフ) - みるくれもんさん» ありがとうございます!そうです!某髭の彼らです〜。音楽を聴いたとき、絶対こうちゃんに合うなーとおもって書きました! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
てら(プロフ) - みけさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです〜! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれもん - はじめまして!いつも読ませて頂いてます、大好きです!!!こうちゃんのやつ、もしや髭男の曲ですか!?素敵ですよね(^^)これからも頑張ってください、体調にはお気をつけて!! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 1ef1ccf766 (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 第1話から心臓を撃ち抜かれました...ありがとうございます...!!とても大好きです (2020年3月10日 23時) (レス) id: 5abc98e162 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てら | 作成日時:2020年3月10日 21時

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