綺麗 ページ6
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堤防のコンクリートに座り、自分の上着をAにかけた
いつも大人びて見える彼女は今少し幼く見える
JM「先生、だよね」
「…なんで知ってるの」
JM「さっき思いっきり名前叫んでた」
「…あ」
泣きすぎて頭が回らないのか、実は天然なのか
JM「付き合ってたんだね」
「……ジェヒョンオッパとは半年くらい付き合ってたの、でも私以外にも女の人がいたみたい。…私の運命の人はこの人しかいないって思ってたけど、でも…違ったんだ〜って」
私ほんと馬鹿だよね、と少し微笑みながら彼女は話した
僕はそれをただ見つめることしかできなくて
なんて声をかければいいのか分からなかった
「ナジェミンくんは振られたことある？」
JM「ジェミンでいいよ」
「…あ、じゃあ私もAでいいよ。で、あるの？」
JM「うん。2ヶ月前」
「どうして？聞いてもいい？」
JM「振られたっていうか、彼女が大学生と浮気してて…そのまま引っ越しして離れたんだ」
今になってわかる。相手を好きだったんじゃない。恋愛している自分に満足しているだけだったと
潮風が頬を撫でる
月に照らされて海がキラキラ輝いていた
「大人って、だいっきらい」
笑顔なのに泣きそうな声で彼女、いやAは呟いた
JM「僕も、大っ嫌い」
そう言って海からAに視線をうつす
JM「綺麗だね」
「……君もね」
ぐちゃぐちゃになった糸みたいに絡まる視線
引き寄せられるように
ゆっくり、2人の唇が重なった
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作者名：豆乳トランジスタ | 作成日時：2022年1月22日 19時
