和の涙 ページ38
☆あなたside☆
「上を見ろ！！」
翔にぃが言った言葉で、全部が吹っ切れた気がした。
さっきまで震えていた足も嘘みたいに止まった。
自分にはできるって自信も湧いてきた。
いまの気持ちを忘れないようにしよう。 翔にぃがくれた勇気を大事にしよう。
そう、自分に誓った。。
それから、私たちは日が暮れるまで滑った。
さとにぃからご飯できてるよって連絡もらって、そろそろ帰ろうかって翔にぃが言った。
私はもうひとつ、やり残してることがあった。
翔にぃと雅紀にそう伝えて、私は部室に向かった。
たぶん… いるはず。
だって、さっき私の滑りを見ていたから。。
ガラっ
A「カズ！！」
和也「せ、んぱい… なんですか？ ここはスキー部の部室ですよ？
部外者は出て行ってください」
A「カズ？ あたし、ね… スキーやめないよ？」
和也「… また、気まぐれですか？」
A「ううん、今度は本気」
和也「どうだか？ どうせまたすぐに飽きてフラフラするに決まってる…」
A「本当に、今度こそ真面目にやる」
和也「もう、いいですよ。 先輩がスキーやろうがやめようが、僕には関係ないんで」
A「関係あるよ…？ カズにお願いがあるの 」
和也「先輩のお願いなんて聞きませんよ」
A「お願い… 私のトレーナーやって？」
和也「… もう、うんざりなんだよ！！！」
あの温厚なカズが怒鳴った…
部室を出て行こうとしたカズを引き止めたら、思い切り突き飛ばされた。
それと同時にバランスを崩したカズ。
和也「クソッ、この足さえなければ僕だって…」
カズは俯き、泣いていた。
A「カ、ズ？」
和也「こんな姿になっても、まだスキーにしがみついてる自分が惨めで情けない…
毎日夢を見るんだ。 背中に真っ白で大きな羽根が生えて、どこまでも高く飛んで…
でも、その羽根はすぐにちぎれて、僕はどこまでも落ちていく…
こんなにジャンプがしたいのに…
もう、できないなんて…
まだ、どこかであきらめられない自分がいて、もう一度でいいから飛びたい…
せん、ぱい…
先輩の足、僕にくださいよ… 」
カズの…
カズのキレイな目からポロポロと涙がこぼれていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あらしだいふく(プロフ) - はい！ありがとうございます！！！ (2017年11月22日 5時) (
レス) id: 50a1a6134f (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - あらしだいふくさん» こんばんは。ありがとうございます。この時作品を作りたてで勝手がよくわからなく、変換できるかと思いますができなかったらごめんなさい。Part2からはできると思います。引き続き愛読してください！ (2017年11月22日 0時) (レス) id: 91535ecd73 (このIDを非表示/違反報告)
あらしだいふく(プロフ) - 初コメ失礼します。とってもおもしろいです！すいません、名前変換はできないんですか？ (2017年11月21日 18時) (レス) id: ad3b97cb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きらら | 作成日時：2014年2月12日 0時
