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私の目の前にいるベクは、
私があんな態度をとっても
いつもと変わらない態度。
BH「ほら、溢れてるぞ。紙取ってくる。」
BH「熱くない?冷まそうか?」
BH「Aこれ好きだろ?あげる。」
嫌味ったらしい私のお世話をせっせとしてくれて。
なんでそんなスマートなの…?
私なんて…
楽しかったさっきまでデートも私のせいでぶち壊し。もうやだ。帰りたい。
BH「Aもういい?お会計する?」
「…うん。行こっか。」
BH「いいよ、俺が払うから。」
「ダメだよ!私も払う!」
BH「今日は俺が払いたいの。」
「私も払いたいもん。」
BH「わかった。あとでAが俺にアイス買ってくれればいいから。」
「えぇ…」
ベクはついでにトイレに行くと言って席を立った。
ここは私が全部払ってもいいぐらいなのに。押しに弱い私はいつもベクの言葉に甘えてしまう。
「はぁ…」
誰にも聞こえない声で出たため息。
ベクがトイレから帰ってきたらちゃんと謝ろう。
『失礼します。こちらお下げしても宜しいですか?』
「あ、はい。」
店員さんに声をかけられてぱっと顔を見れば、さっきの彼女。やっぱりなんか心が晴れない。
でも嫌な態度をとっちゃったし謝罪でも…。
それに元カノにはいい女っていう風に思われたいじゃん?
『あの、』
でも先に声をかけてきたのは彼女の方で。
『さっきはごめんなさい。あんなこと言って。
安心して?ベクが行っても行かなくても、私は行かないから。』
口角をニコッとあげて優しい口調で話す彼女を見て、また妬けた。
こんな良い彼女になりたいって。
「私の方こそごめんなさい。嫌な態度をとってしまって…。」
『ううん、ちょっとあなたに嫉妬しちゃって意地悪した私が悪いの(笑)』
「そんなこと…!」
『ありがとう(笑)
ベク、あなたのこと大切なんだなった見てて思ったよ。』
「え…」
『ふふ、またお越しくださいね。』
そう言って食器を下げて行った彼女。
自分のありのままを話せる彼女がすごいと思った。私はまだまだベクに言えないことばっかなのに。
BH「A?行くよ?」
気づいたらベクが戻ってきていて席を立った。
普段はあまりやらないけど
自分から手を繋いでみたり。
きちんと、謝ろうって。
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作者名:S | 作成日時:2017年10月29日 17時