お調子者 ページ25
「Aベッキョン見た?
さらにかっこよくなってたよ!」
高校の同窓会。
男はスーツ、女はドレスアップして綺麗に着飾ってる。
誰がかっこよくなった綺麗になっただの話が途絶えない中、一番聞く名前がベク。
私の幼馴染。
私達は兄が同い年で友達で家も近かったので家族ぐるみの仲だった。
だから同じ高校に通い始めた時もいつも一緒に登校してた。
けどある日、
すごいモテるのに彼女を作らなかったベクに彼女が出来た。
ずっと好きだった私は悲しかったけど、
ベクと離れる方が嫌だったから良き友達を続けてた。
でもそれが彼女の癪に障ったみたいで、
彼女が私が2人の邪魔をするっていう噂を流し始めた。
何度も本当のことを話そうかと悩んだ。
でも、ベクがそれを知ったらどうするか。
それがまた怖くて何も言えなかった。
彼女が流したと気づいてなかったベクは私に「気にするな」と変わらない態度で接してくれたけど、
私はその評判に耐えきれずにベクに酷いことを言った。
『ベク、
迷惑だから私にもう話しかけないで。』
あの時のベクは
意味がわからないを通り越して、怒っているようにも見えた。
それから段々仲が希薄になっていってしまったのも無理はない。
しばらくして彼女と別れたということも、
そのせいか酷くやつれたことも聞いたけど
もう私にはどうにも出来ない関係だった。
大学はそれぞれ違うところに進学したから高校卒業後はよく知らない。
親は私達のことを聞いては来ないけど
わかってるのか、たまに控えめに「今ベク君ね…」って話してくれるくらい。
だからこうして会うのも卒業式以来。
ねぇベク、
今謝ったらあなたは許してくれる?
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作者名:S | 作成日時:2017年10月29日 17時