＊ ページ20
「えっと…何で？」
こんなに望んでいたことが今起きてるのに、意外と頭の中は冷静で。
これだから…私は可愛げがないんだ。
せっかく言ってもらえたのにきっと愛想つかされるんだろうなぁ。
なのにユノは
「あーはーはー(笑)
きっとAならそういうと思った！」
「え？」
「Aは俺にはクールだから(笑)」
まったく…その通りだ。
そこまでわかってて私が好き？
もっと可愛らしい子いっぱいいるだろうに。
「この間、Aの家にキムチ届けに行ったじゃん。」
私の頭が混乱してる中、ユノはまた話し出した。
「俺その時気づいたんだ。
今まで俺だけがAの素の姿知ってることに優越感があったんだけど
俺ももっと笑ってる姿見たいなーって。
…彼女といてもそんなこと考えちゃってさ。
あれ、俺いつからこんなにAが好きなんだ？って(笑)｣
ユノがいつもの調子でおどけたように話すのに
時より真剣な眼差しだからどう反応したらいいのかわからない。
「A？」
「……」
「…さすがに黙られると辛いんだけど(笑)」
「あ、あぁごめん。」
まさか彼女と別れた理由が私だったなんて思いもしなかったし。
それでも
「私で…いいの？」
「何言ってるんだよ(笑)
Aがいいの。」
こんなにストレートに想いをぶつけてくれるのが嬉しくて。
「私もユノがいい…(笑)」
なんて笑って見せたりして。
End.
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作者名：S
| 作成日時：2017年10月29日 17時
