⑨ダンボール戦機Ｗ～裏束縛～ (ページ36)

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専門ページ36

「…バン」

準一郎は表情を歪めた。

ユウヤが感情を押し殺した表情で、言った。

「とにかく、最後まで話して下さい」

「…分かった」

準一郎は、白衣の懐から、一つの仮面を取りだした。

「「「「―――！！！！」」」」

紛れもなく、それは、ディテクターの、―――。

「ディテクターとして、活動してきた。―――そう、真の黒幕を止めるために」

準一郎は目を閉じる。

「黒幕は、Ａ国副大統領…通信衛星と称した、宇宙軍事基地、『パラダイス』稼働計画をしている」

「「「「う、宇宙軍事基地…！！！？」」」」

初耳だ。

一同は先ほどまでの感情も忘れ、話に聞き入った。

「…宇宙軍事基地に、それなりのＡＩを持ったアンドロイドをおくことを計画した黒幕は、そのＡＩを完成させるために、優秀な技術者を集めている。彼女も、その一人に入っていたのだが…」

準一郎は声のトーンを落とした。

「彼女はあまりにも“強すぎる”んだ。その研究場に直接呼び出し、彼女にそこで研究をさせれば、ＡＩがあっと言う間に出来てしまうほか、彼女が大きな力を持ってしまう。それを怖れた黒幕は、彼女を呼び出さない方法を考えたんだ」

それが、―――情報具現装置。

彼女の脳内に直接干渉し、電波で欲しい技術情報だけを勝手にいただくという方法。

「そう、送られ続けていたのだ…君たちも、彼女も知らぬ間に」

「ちょっと待って下さい」

口を挟んだのはラキアだった。

「俺、エジプトコンピュータを介して、そのデータ、全部削除したはずですよ」

「…それに、僕もその機械は壊した」

ジンがボソッと呟く。

準一郎は頷いた。

「そうだ。確かにジン君達が送る機械を破壊し、既に送られていた情報もラキア君が削除した。だが―――」

電子ウイルスというモノを聞いたことがあるか。

準一郎が問い、ラキアが頷いた。

「ここからは専門的な話になってしまうが」

ヒロたちには前置きをしておく。

「電子ウイルスの、ヒト感染版が今、開発されている」

「！！―――」