⑨ダンボール戦機Ｗ～裏束縛～ (ページ24)

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アハハページ24

ラキアの声。

ジンはサッと涙を拭って顔を上げた。

ラキアが立っていた。

「ごまかしたってダメです。目、腫れてますよ」

「…」

「隣、座りますよ」

ラキアがジンの隣に座る。

ジンは再び窓の外に目を向けた。

何も面白くない。

「俺、決めましたよジンさん」

ラキアは言った。

「今後のジンさんの行動によっては、俺、ジンさんに姉さんを渡しません」

心臓が、一瞬固まった気がした。

シスコンラキアらしくない、鋭い声だった。

「弟って言ったって、俺、双子ですし」

「…勝手にしてくれ」

いま、そんなことを考えてる余裕がなかった。

色々なモノに押しつぶされそうだった。

ジンの声のトーンが低いのを聞いて、ラキアが苦笑し出す。

「…何も“絶対渡さない”なんて言ってないんですよ？」

「今の僕には…護る力がない」

「だからですか、そんなにテンションが低いのは」

そんなこと、言い訳になんかしないで下さい。

再びラキアの声が鋭くなった。

ジンは相変わらず窓の外を見つめたまま、言った。

「言い訳にしたつもりはない」

「十分言い訳です。ジンさんの行動次第で、姉さんはこんな事にならなかったかもしれないんですから」

「…」

「そして…俺も、また、姉さんを苦しめてる」

ラキアも急に声のトーンを落とすと、やっと聞き取れるくらいの声で言った。

ジンはラキアの方を向く。

ラキアは俯いて、拳を握りしめていた。

「…ラキア？」

「姉さんは“保存”されてます。…あんな残酷な方法、誰が作り出したと思います？」

今にも泣き出しそうな顔で、自嘲するラキアはヒドイ顔だった。

震えるラキアの肩。

やがてぽつぽつと、彼のズボンに染みこんでいくしずく。

それらが全てを語っていた。

「…ラキア…まさか…？！」

「アハハ…っ、…俺、何で、あんなモノ作り出したんでしょうねぇ…？」