⑨ダンボール戦機Ｗ～裏束縛～ (ページ2)

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知らないページ2

バンの顔から血の気が一瞬にしてひいた。

「ちょっ、ねぇ、どういう事なんだ！！リュウンちゃん！！？」

アスカとアミが振り返る。

「待って、伝えてなかったって…何の話！？今どこにいるの！？」

ただならぬバンの声と表情に、ジェシカが表情を険しくした。

そして、その会話は、すぐに途絶えた。

「う、そ…」

力無くＣＣＭを降ろした、バンの一言で…。

ジェシカがバンに声をかけようとしたとき。

「リュウンちゃんが言うんだ…ジンの居場所は知らないって」

「別に彼女が常に彼の行動を把握してるワケじゃないわよ。何でそんなに蒼白な顔をしてるのよ」

ジェシカが馬鹿なこと言うなと言わんばかりである。

バンはＣＣＭをポケットにしまい、席を立った。

階段に向かって歩き出す。

「ちょっと、バン、どこ行くの」

「リュウンちゃんが言うんだ…ジンの居場所は知らないって」

「さっき聞いたわよ！だからどうしたの！」

「リュウンちゃんが言ったんだ―――」

「だから何なのよ！」

ちょっとキレ気味のジェシカ。

バンは焦点の合わない目で、振り向いて、言った。

「言ったんだ―――、…すっごく、冷たい声で」

時が、止まった気がした。

「嘘…何があったのよ！」

「分からないから探しに行くんだよ！」

「あなたは彼女に居場所を聞いたでしょ！？何処って言ったのよ」

「…なんて言ったと思う？『まだ伝えていなかったな』って」

バンが、冷たさを通り越して微笑さえ浮かんだ顔。

バンの、初めて聞く恐ろしく冷たく静かな声。

ジェシカは背筋に悪寒が走ったのを感じた。

「ジ、ジンの場所は！？本当に知らないの！？」

「だから俺も、もう一度訊いたよ…」

そう言うと、今度は。

「『探せ、この世の全てをそこに置いてきた(笑)←』、…って…」

…その笑いは、何処まで冷たく、静かな冷笑であったのだろうか。