検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:45,817 hit

ページ22

健太さんが連れてきてくれた街は、温泉が有名なところ。

貸し切りの露天風呂に案内された。


昨日はお風呂に入れなかったから嬉しい。

お昼前から温泉っていうのもすごく贅沢だし。


静かにお湯へ浸かった。


「ハーブのいい香り。」


すごく落ち着く空間。

身体の疲れが和らいでいく。


健太さんといるとすごく頼りになるし…良いなぁ。

こうやってお互い一人になる時間を作ってくれるのもありがたい。


「良いお湯だった。癒されたな〜!」


温泉から上がると、新しいドレスが数十着用意されていた。

それらに合う靴も…。

小さなメモ書きを手に取る。


お好きなものを選んで下さい…かぁ。

至れり尽くせりだ。


「お待たせしました。」

『…、』


「健太さん?」


私を見て固まる健太さん。


…?


『髪、意外と長かったんですね。可愛くて思わず見とれてしまいました。』

「!」


さっきまでアップヘアだったから、印象が変わったのか。

素直に可愛いって言われると…照れるな。


「そうやって言葉にしてくださるの嬉しいです。」





植物園をゆっくりと散歩しながら健太さんとお話ししている。


『Aさんはあと3人の王子に会う予定です。』

「あと、3人…。」

『出来れば、』


きゅっと手を握られた。


『僕を選んでほしいな。』


ちょっと切ない瞳で私を見つめてくる健太さん。


今はまだ答えは出せないけれど…。


健太さんとの幸せな将来を想像すると、明るい気持ちになる。


「はい…。ありがとうございます。」

『次の王子の国までは僕がご案内しますよ。』


ここまでに私に尽くしてくれた王子は他にいなかった…。


私を案内してくれた後、健太さんは神獣に乗って飛び立った。

手を振って背中を見送る。


「あ、健太さんの血を吸うの忘れちゃった。」


どんな味なんだろう。

健太さんは、人間…ではないのかな?


今思うと、謎が多い王子だったのかも。


「また会いたいな。」

海青→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
261人がお気に入り
設定タグ:ランペ , 川村壱馬 , 吉野北人   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:If | 作成日時:2022年8月7日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。