18.そばにいて ページ18
kn side
俺は猫が嫌いや。
自分勝手に擦り寄ってきて、飽きたらすぐどっか行ってまうから。止めようにもするりと抜けて、あっという間に見えなくなるから。
「何をしても離れてくなら、構わない方がマシや」
あの日から、俺は猫が大嫌いになった。
※
『?』
「トントンは買い物やで。お前もこんなとこ居たないやろ」
どっか行きや、と言って携帯を取りだし弄り出す。構うつもりはないし、そのうちどっか行くやろ。そう思っとった。
『…んにぃ』
やけど白猫はとことこやって来て俺の足に擦り寄ってきた。
「…」
『にゃう。んにゃー』
目だけ動かして猫を見れば、パタパタ尻尾を揺らして見上げとった。構ってくれると期待しとるんやろうけど残念やったな。俺は構うつもりなんてないで。
『にぃ、みゃーう』
てしてしちっこい手で足を叩くが無視をする。無視しとけばどうせそのうちどっか行くやろ。
猫は自分勝手な生き物やから
どうせ、離れて__
『…にゃお』
「…ん?」
ごろん、と白猫が寝転がり無防備な腹を俺に見せる。そして目をしぱしぱさせながら俺を見上げとった。
『にぃー』
「…」
ふわふわの腹に導かれるように手を伸ばし、柔らかい腹を撫でる。モフモフと撫で回せば『んみゃ』と嬉しそうに鳴いた。
『にゃおー、んにゃー』
「…」
気持ち良さそうにしとるのは悪くない。そのまま喉や頭へと手を移動して撫でてやる。擽ったいのか手を甘噛みしてくるが、そんな事気にせず撫でてやる。
『にぁ』
「…ンフフ」
いつもならここら辺で猫は気が変わり逃げていくんやけど、コイツは逃げへんでもっと撫でてと言わんばかりに手に抱き着いてくる。
コイツは他の猫とちゃうのかもな。
『にゃーう』
「なんか遊ぶか?それとももっと撫でたろか?」
『にぃ』
白猫は手から離れると玩具を咥えて俺の膝の上に乗ってくる。
「遊ぶんけ?」
『ぷにゃ』
「なら全力で行くで!」
フェルトの人参の着いた竿を受け取りユラユラ揺らしてやる。そうすれば白猫は猫パンチをしつつ飛びついた。
「おっしゃ!いくでー!」
『にゃおん!』
「…で、仲良くなった、と」
「おん!」
『にゃ!』
トントンが帰宅する頃には、一人と1匹はとても仲良くなっていたとか。
(ラプンツェル楽しいな!)
(ハープーンな?てか懐かしいなそのネタ)
(にゃう)
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鴉(プロフ) - 完結おめでとうございます。癒しと感動が詰まった素敵な作品に出会えて良かったです。 (2022年10月23日 8時) (レス) @page28 id: 3595b6bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ!(プロフ) - お”ぉ”ぉ”ぉ”めちゃ感動するやないですかぁぁぁぁ!更新頑張って下さい! (2022年10月17日 20時) (レス) @page23 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - まさかの、まさかのツイートで癒されまくっていたあの猫ちゃんが小説に、、!?!?いつも素敵な作品ありがとうございます!無理のないよう更新頑張ってください! (2022年10月2日 0時) (レス) @page4 id: 04c7a7add8 (このIDを非表示/違反報告)
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