08.意味の無い日課 ページ9
いつものように朝早くに鳴り響いた目覚ましが鳴る。それを止めてゆっくり起き、いつもの癖を呪った。
『…もう起きる意味無いのにね』
起きて制服に着替えゆっくりご飯を食べる。
静かな家。
シンプルなご飯。
一人の、落ち着かない家。
『…ご馳走様』
トーストを一口齧っただけでお腹がいっぱいになった私は早々にカバンを手に取り学校へと向かった。
※※
ひとらん先輩の飼育小屋のお手伝い、エーミール先輩の図書室のお手伝いをすればあっという間に登校時間になる。徐々に学校が賑わってきた。
「あ、おった。Aさん」
『…ショッピ君』
ショッピ君は私を見るなり一瞬止まり、足早に駆け寄ってきて私の手を引いた。
『え、何』
「アンタ今の自分の顔どんなに酷いか知っとるんですか」
近くの生徒会室に引っ張られ洗面所へと連れ込まれる。
そこの鏡に写ってる私の顔は酷く白くて、うっすら隈も出来ていた。
「トントンさん程じゃないっすけどね」
『…ごめん』
そのまま許可を取り顔を表せてもらい、柔らかなタオルで顔を拭く。
「…チーノの顔、見たくないですよね」
ショッピ君のその言葉に手が止まる。
「やから無理やり引っ張ってきました。すみません」
『…ううん。ありがとうね』
チーノと日野さんはきっとずっと一緒にいる。
それを見たくないだろうとショッピ君はここに連れてきてくれたんだ。
『ショッピ君って優しいよね』
「…Aさんにだけですよ」
彼の頬が珍しく赤く染っているのを私は見逃さなかった。
※※
「Aちゃん、チーノと何かあったん？」
『…何でですか』
「やってあいつ全くAちゃんと居らんから」
「トントンさん」
今日もショッピ君の好意で生徒会室でお弁当を食べさせてもらえば疑問に思ったらしいトントン先輩がそう聞いてきた。それを制したのはショッピ君で、耳打ちをすれば即座に「すまん」と謝られた。
『…謝る事じゃないですし、そんなこと言わないでください』
紙パックのいちごミルクを飲み干してご馳走様と手を合わせる。
「それだけでいいんですか」
『食欲が無くて』
「ちゃんと食べへんとアカンで？女の子やねんから」
『ならトントン先輩は徹夜をやめなきゃですね』
なんて痛いところを突いて笑っていれば開いた生徒会室の扉。
「あ、おった____A」
『…ッ』
見たくなかった、彼とその後ろにいる彼女の姿。
「こんにちは、生徒会の皆様」
『…日野、さん』
喉がﾋｭｯと音を鳴らした。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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