02.それはあまりにも突然で ページ3
『…アンタが?』
「おん」
『転校生ちゃんを?』
「おん!」
『…保健室行く?』
「ちょ!本気やって!」
心配してそう言えば首を横に振り肩を掴んでくる優希。おい痛いんだけど離せよこの野郎。
『…それで?転校生ちゃんのどんなとこが好きになったの?』
手を払ってそう聞けば優希は頬を赤くしながら語り始めた。
「あのな…香水かなにかとは違う甘い香りに女の子らしくちっちゃくて、声も可愛くて優しくって気配りできるとこやんな」
『へぇ…』
自分と全く逆なタイプの子でなるほどな、と納得してしまう。まあ優希は告白される事は多いが彼女欲しいとまで言ってなかったし、優希自身が好きな子出来たと言ってくれたのは今回が初めてだ。
「やからなA」
『あいよ』
顔を赤くしたままの優希は私の手を掴んでぎゅっと握った。
「お、俺の恋、応援してくれへん?!」
『は』
優希はモテるし流行には敏感だが女心が分からないことがたまにある。だからそういう時は私に相談することが多いのだが…
「頼む!この通り!」
『えぇ…』
「頼む!一生のお願い!」
一生のお願いをこんな事で使っていいのか、と言いかけたがその言葉を飲み込んだ。
優希がここまで真剣に頼み込むのはこれが初めてだ。
それほど本気で、その転校生ちゃんの事が好きなんだ。
…だったら、私は____
『…わかった』
「! ホンマに?!」
『いいよ。でも、幸せにならなきゃ許さないからね』
「…ッありがとうなA!」
勢いよく抱き締められ『離せコラ』と頬を掴む。彼女に告白してお付き合いしたい言うとる人間が無闇矢鱈に抱きつくな!
『動くなら明日から、告白はその後。いいね?』
「ラジャー!」
ビシ、と敬礼する優希に笑っていれば昼休憩終了を知らせる鐘が鳴り、私と優希はたまにはいいかと午後の授業をサボってお弁当を平らげ仲良く打ち合わせの後に隣同士で寝転がり昼寝をした。
こんな時間が続くのは何時までなんだろうな。
何故かチクッとした胸を摩っていれば優希の制服の上着が掛けられた。
「寒いんやろ?それ着とき」
『…ありがとう』
こんなに優しくて気がついてくれる彼に好きになってもらえるなんて羨ましい転校生だ。
なんて思いながら私は優希の肩に寄り添って目を閉じた。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです!更新お疲れ様でした! (2021年2月26日 19時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです!更新がんばえ〜! (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう?続き楽しみにしてます!更新頑張ってください、応援してます!! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、!続きの展開がどうなるのか凄く気になります!皆さん同様に、応援しています! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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