16.いつも通りに行こう ページ17
翌日から優希はいつものように私に笑顔で話しかけてくる様になった。
「Aーおはよう!」
『…なんで登校別々だったのに私の教室に来るのかな?』
「頼む!宿題見せてや!Aより一限回収するの早いねん!」
『却下。出直せ』
「オスマンさんオススメスイーツビュッフェ!」
『仕方ないなぁ』
「サンキュー!」
手渡したノートを手に走って教室に戻っていく優希。そんな光景を静かに眺めていたショッピ君は「いいんですか?」とそっと声を掛けてきた。
『うん。もう吹っ切れたし、子供みたいな優希相手してたら馬鹿らしくなって許しちゃったよね』
「いや、そうじゃなくて」
『?』
「告白、しなくていいんすか」
ショッピ君は周りに聞こえないようにそう耳元で囁いた。
ショッピ君はどうやら気付いていたらしい。私が優希の事を特別に思っていた事を。
『…彼女が好きって言ったのはアイツだから』
「…」
『だからもうこの感情は仕舞い込む。…それに私は答えを出さなきゃいけないからね』
「なんや、覚えてたんすか」
『忘れるわけ無いよ。こんなイケメンに告白されりゃね』
「…あざす」
少しだけ珍しい頬を染めるショッピ君に可愛いなぁ、なんて笑っていれば片側の頬を摘まれる。
『いふぁい(痛い)』
「…フッ マヌケ顔」
『ひょっふぃふん(ショッピ君)?』
「やっぱりAさんは笑ってる顔の方が好きです」
『…』
悪戯な笑みでそうサラッと言えるショッピ君は小悪魔だと思った。
『…ちゃんと答えは出すよ。でも、もう少しだけ待っててね』
「ええ、待ちますよ」
また後で、と彼が席に戻ると同時に私の携帯が震える。鬱先輩からのLI〇Eだ。
《材料は用意出来たで。後はAちゃん次第や》
そのメッセージにありがとうございますと返せばすかさずショッピ君からのメッセージも届く。
《俺らは別行動なんで手伝えませんが、気を付けて》
別の準備がある二人に了承しメッセージ画面を閉じた。
『…はぁ』
机に倒れ込みクラスメイトの会話に耳を傾ける。
何気ない会話や流行りのドラマの話、そして最近の噂話が耳に聞こえてくる。
そのうちの一つは最近まで転校生だった日野さんのもので。優希と付き合ってるとか、生徒会に媚び売ろうとしてるとか、様々なものだ。
『(さぁ、今日が決戦かぁ)』
親友を毒牙に掛けようとする奴なんかに隣は譲らないよ?
気合を入れる為に軽く頬を叩いた。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです!更新お疲れ様でした! (2021年2月26日 19時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです!更新がんばえ〜! (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう?続き楽しみにしてます!更新頑張ってください、応援してます!! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、!続きの展開がどうなるのか凄く気になります!皆さん同様に、応援しています! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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