10.縋り着いたその先に ページ11
沢山泣きじゃくった後、疲れ果てた私はぐすぐす鼻を鳴らしながら彼にもたれかかった。
だけどショッピ君は私から離れず背中を撫でてくれていた。こんなの普通の子なら惚れちゃうよね。
『ごめ、ん。もう平気、だから』
「Aさんの大丈夫は信用しません」
回された腕に力が篭もる。服越しに伝わる熱が、熱い。
『ショッピ君』
「すみません、嫌なら突き飛ばして下さい」
『え…』
ショッピ君を見上げれば彼の整った顔が近付いてきて唇が目元に触れた。驚いて固まったが彼はそのままちゅ、とリップ音を立てて離れていく。
鈍い私でもこんな事されれば理解する。
「…こんな時に言うのは卑怯やってのは理解してます。でも言わせてください」
至近距離でアメジストに見つめられ顔が赤くなる。
「俺、Aさんの事が好きです」
『ショッピ、君…』
いつになく真剣な表情の彼はそう言って体を離し、そっと私の頭を撫でた。
「鈍いアンタの事だからちゃんと言わへんとわからんな思って」
『鈍…っ』
「返事は急ぎませんから。自分の胸にちゃんと聞いてみてくださいね」
そう「返事は急がない」と伝えて彼は保健室を出ていった。
※※
syp side
「…とうとう告ってもうた」
目の前で子供の様に泣く彼女がとても愛おしくて、俺だったら泣かせへんのにって気持ちで溢れて、止まらへんかった。
やけど後悔は一切してへん。むしろ、想いを伝えられた開放感でいっぱいや。
結果がどうなろうと関係あらへん。
「…Aさんの顔、真っ赤やったな」
あの顔を見れただけで悔いはない。写真撮っとけば良かったなぁ、なんて思いつつ生徒会室に戻ればそこにはトントンさんしかいなくて。
「…チーノ達は教室戻ったんすか」
「おかえり。まあ、せやな」
「…ふーん」
興味なくそう返して携帯を手にする。相手はチーノ。
「…ショッピ君何かわっるい顔しとるな」
「そうですか？」
「おん。あれや、殺人鬼と鬼ごっこするゲームで殺/戮楽しんでた時の顔しとるで」
なんて指摘を受け、思い切り口角を上げて笑ってやった。
「…気の所為っすよ」
チーノにあるメッセージを送りながら。
(そういやトントンさん)
(んー？)
(俺Aさんに告白しましたんで、手ぇ出さないで下さいね)
(ファッ？！)
(返事待ちっすけど変な虫つけたくないんで)
(ショッピ君…恐ろしい子！！！)
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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