42. ページ43
<__本日未明、先日から行方不明になってる○○さんの物と思われる携帯が…>
連日テレビを賑わせているニュースからそんな話が流れ出す。この前私の学校の先輩の制服が落ちていた件から日に日に増え、今ではほぼ毎日謎の行方不明者が出ていた。警察はこれを複数犯の犯行と見ているらしいが…
「これ、犯人は一匹の妖やな。しかも相当腹減っとる奴や」
『お腹が?』
「おん。これマズイかもしれん」
最近我が家に来た狛犬のシャオロンがポメラニアンの姿でそう呟く。なんでも人を食えば力を貯えることが出来、そして行方不明者の量が多く全員食われた可能性を考えると相当危険らしい。
「やから最近グルッペンさん居らんとちゃうんすか」
『…そっか』
最近あまりお会いできて無いのはそういう事か、と私は何も知らずにお世話になっていたのだとため息をついた。
何が力になりたい、よ。守られてばっかりじゃない。
「まぁAさんは視えるって事以外普通の女子高生ですからね。仕方ないです」
「そなんか?なら仕方ないやん」
肩に猫のショッピ、膝の上にポメラニアンのシャオロンが乗ってきて二匹共喉を鳴らした。
「俺らが守ったります。やから安心してください」
「せやで!安心しぃや!」
『…うん、ありがとう』
二匹を優しく抱き締め立ち上がり、私は学校へと向かった。
きっと大丈夫。そう自分に言い聞かせ学校に向かったのだがその思いは揺れ動き始めた。
「…えー、チーノ君ですが、暫くお休みとなるそうです。なので____」
『…え』
その日からチーノは学校から姿を消した。
※※
きっとグルッペンさんのお手伝いをしてるのだろう。
そう思ってから一週間経ったが未だに音信不通で、トントンさんに聞くもわからへんの一点張りだった。
『…件の妖に食べられたりしてない…よね』
大丈夫、大丈夫だから。そう自分に言い聞かせるも日に日に不安が募っていくばかりでもう押しつぶされそうだ。
「こんちは」
ゆっくり顔を上げればそこには先日の男子生徒が。だけど私は彼を相手する余裕は無く、いざと言う時にロボロさんを呼べる様に鈴に触れながらその横を抜けた。
『ごめん、なさい。今は…』
ちょっと相手出来ないんです、と言うとした瞬間聞こえた腹の虫の音。しかも爆音である。
「…」
『…ふふっ』
それがおかしくて思わず笑い出す。そうすれば男性は「笑うなや!」と顔を赤くして叫んだ。
.
757人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、「あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます! (2023年4月11日 2時) (レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜!推しが守ってくれるってヤバイよ!次の章も楽しみにしてます! (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが!?どうしたらいいんだよォォォォォォォォォォオ!!・゜・(つД`)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは!小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい! (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ