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「ねぇ知ってる？三年の先輩が一人行方不明なんだって」
「知ってる！なんでも制服が落ちてて本人はいなかったらしいね」
いつものように登校した私の耳にそんな噂が流れてくる。後からやってきたチーノに挨拶すれば、チーノはうーんと顎に当てて考え込む仕草をした。
「妖の所為…とは言い切れないんよ。なんでかっていうと少し変な点があってな」
『変な点？』
「おん。事件が起こったその時間帯、周辺で不審人物がおらんかったんよ」
『結界とかは？』
「それなら俺らが感じ取るで。やけど昨日変な感じは無かったんよ」
『…成程』
話をまとめると妖の所為にも人間の所為にも捉えられるということらしい。グルッペンさん側でも調べてくれているらしいので、私が今出来ることは無いだろう。
「まあ何かわかったら教えるからAも何かわかったら呼んでな」
『うん。ありがとう』
席に着いた彼から腕に着いてる鈴がちりん、と鳴る。何かあったらロボロさんが守ってくれるし、あまり迷惑かけたくないし気を付けよう。
やがて聞こえてきた朝のHRを告げる鐘の音に顔を上げ、退屈なその時間に意識を向けた。
※※
お昼になりご飯を食べようとお弁当の手に屋上へ向かう途中。不意に後ろから呼び止められた。
「____なぁ、アンタ」
『？』
振り向けば黒い短髪の青年が私を見下ろしていて。少し驚いたものの『なんですか』と返せばその人は優しい笑みを浮かべた。
「いやな、一人で飯食うのも寂しい思ってな？よければ一緒に食わへん？」
人懐っこい笑顔を浮かべる青年だけど私はそれに違和感を抱いた。
そういう割に彼は手に食事を持っていないのだ。
『…すみませんが友人と食べる約束してるので』
「ええやんええやん。…なぁ？」
瞬きをした瞬間彼の目が一瞬桃色に染まったように見えて。
ぞわり、と嫌な気配を感じ取った瞬間私は後ろに腕を引かれた。
『っわ？！』
「おったおった。探したでAちゃん」
にへ、といつもの笑顔を浮かべた鬱先生。彼は私を彼から遠ざけようと「さ、一緒に学食行こうか」と私の腕を引いて歩き始めた。
「君はどうするん？僕らと一緒に学食くるん？」
「…いや、ええですわ」
「そ。んじゃーなぁ」
鬱先生はそのまま歩き出し、学食じゃなく保健室の前で立ち止まった。
「…危なかったなぁ？大丈夫？」
『…ええ、まぁ』
ありがとうございます、と素直にいえば先生の手が頭を優しく撫でた。
普段からこうならカッコイイのになぁ。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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