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「我々は君のいざと言う時の護衛と情報提供、君には学生視点の情報提供をしてもらいたい」
『…それだけでいいんですか？』
「ああ。高校生から大金をむしり趣味は無いのでな」
グルッペンさんは手にしていたフォークを置いて「どうだ？」と真っ直ぐな目で私を見据える。
妖に関しては分からないことが多すぎる。何より護衛もして貰えるし、ロボロさんの事だって何かわかるかもしれない。
『…わかりました』
「君が賢い子で良かった」
歓迎する、とグルッペンさんの差し出した右手を取り握手を交わした。
「…なぁ、A」
『うん？』
膝の上で丸まっていたキツネの姿のチーノが起き上がって私を見上げる。
「あの、あのな…？」
うっすら開かれた目は____真っ赤に染っていた。
「…お腹、空いた」
『！』
「チーノ！」
煙が上がり人の姿になったチーノが私をそのまま床に縫いつける。ギラギラと光る瞳はいつもの橙色では無く血のような真っ赤な色をしていた。
「ハーっ…ハァ…ッ、ウヴ…」
「チーノ！クソ…ッ「待てトントン」グルさん！」
錫杖を構えたトントンさんをグルッペンさんが制す。
低く唸るチーノの頬に手を伸ばせば動きは止まり、何度も何度も名前を呼ばれる。
「フーッ、フーッ…」
『…辛いね、苦しいね…』
「んぐ…ッ、ふ、ぅ…ッ」
『…チーノは血を飲んだ事あるんですか？』
「いや、人間を襲うのはご法度だからな。似たようなものを与えてたが…君の近くにいて我慢が聞かなくなったのだろう」
グルッペンさんの言葉に安心し、私はそっと自分の首の所を指差した。
「A？！」
『…チーノ、おいで』
苦しそうに呻く彼に白い肌を覗かせる。
理性の糸が切れたのかチーノはそこに牙を立てじゅる、と音を立てて血を飲み始める。
「ん、ふぅ゛…ッ甘…ぁ」
「Aお前、なんで血を…」
『…私が渡せるのはこれだけだから』
妖は血や体液を自分の力に変換できる。だから私の特別な血であれば彼らはもっと強くなれる筈だ。
「…わかった、その条件も受け入れよう。だがチーノに血をやったのはマズかったな」
『へ…っ』
ふわりと体が浮いたかと思えばチーノは教室の時と同じ着物と耳と尻尾を出した姿で。
「チーノ待て！」
「…もっと、もっと頂戴…？」
グルッペンさんが札を投げるよりも早く景色が一瞬で変わる。
これってもしかして…結界の中？
「んふふ…逃がさへんよ…A…♡」
二組の布団が敷かれた空間に、私はそのまま押し倒された。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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