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10. ページ11

今日の帰りにスタベに行こうとチーノ君を誘ったのだが今日は都合悪いと言われ、一人で帰る道の中。

「すみませんそこのお嬢さん」

声を掛けられそちらを向けば金髪の、赤い目の顔の整った男性が携帯を片手に私を見ていた。

「この場所に行きたいのですが道が複雑で…教えて貰っても宜しいだろうか?」
『はい…』

この辺迷うような道ってあったっけ?なんて思いながら携帯の画面を覗き込めば、顔から下しか映ってない"誰か"の画面が映ってるだけだった。

それは一瞬口角を上げて笑い、そして次の瞬間には顔の至る所にエメラルド色の瞳が無数に浮き上がった。

これは、一体…?

「____縛、」

低いバリトンボイスがそう呟いた瞬間、体がまるで痺れたかのように動かなくなりその場に座り込んでしまう。

「…案外簡単に捕まったな」
『っ、何…っ』

座り込む私の前にしゃがみ込んで顎を指で持ち上げられる。赤い瞳が鋭く細められ「単刀直入に聞く」と鼓膜を揺らした。

「君は私達の敵か?味方か?」
『…?』

敵?味方?なんの事だ?
少なくともこの人は人間だろう?

「口を割らないのは敵であると捕らえていいのか?」
『いや、意味がわからな…』
「わからへんならその体に聞くまでや」
『え』

次の瞬間後ろから何者かに地面に押さえつけられ小さく呻く。後ろに視線を投げれば黒い翼を持った赤いマフラーの男の人が私を冷たい目で見下ろしていた。

人間じゃ、無い。

「程々になトン氏。死なれては困る」
「グルさんは甘すぎんねん。別に腕の一本や二本くらい平気やろ」
『っあ゛…!』

ミシミシと音を立てて力を込められ痛くて涙が滲む。なんで、私が何をしたって言うのか。

『痛い…っやだ!やめて!』
「なら君が知ってる限りの情報を我々に話してもらおうか」
『情報?』
「…この町に最近異変が訪れてるのを知らないのか」

グルさんと呼ばれたその人はそれだけ言うと私の鎖骨の辺りを指でなぞった。

「ふむ…まあいい、時間はまだある。じっくり話を聞こうではないか」

グルさんとやらは立ち上がら私から距離を置いて後ろの人に目配せをした。

「堪忍な。これも仕事やねん」

更に腕に力が込められて、もう折れてしまうんじゃないかと涙が頬を伝った時。

「____おいお前ら、その子に何してんねん」

怒りを孕んだ、凛とした声が耳に届き風が舞い上がった。

.

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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、「あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます! (2023年4月11日 2時) (レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜!推しが守ってくれるってヤバイよ!次の章も楽しみにしてます! (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが!?どうしたらいいんだよォォォォォォォォォォオ!!・゜・(つД`)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは!小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい! (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒瀬 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月15日 20時

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