58 ページ12
ねむは色んなことを話してくれた。
自分はだいせんせいじゃない事。
本物は別の国で遊んでる事。
それを伝言するように言ってたのでりようし、自分が成り代わって潜入してること。
『なんでそのひつようがあるの？』
「さっきも言うたけど、Aちゃんを守るためやで」
『わたしを？』
「せや」
ねむはゆっくりわたしの前にやって来て屈み、両手をとった。
「…貴女は普通の女の子じゃない」
『…うん』
「だから、悪い大人に捕まってしまうと利用されてしまう」
『うん』
「私が貴女のそばに居るのはその為です。貴女が幸せになれるように、私は…」
何故か悲しそうなかおをするねむのほほに手を添える。
『なかないで？』
「…っ」
『ぜんぜんね、じぶんのことがわかんないの。でも、わたしね？いますごいしあわせなの』
ねむが驚いたようにゆっくり顔をあげた。
『ぞむがいて、ぐるさんたちがいて、らだおたちもいてくれるの。だれもわたしをばけもの、なんていわないの』
わたしのてをそっと包むねむ。
『だからね、わたしね、いますごいしあわせだよ』
そう、ほほえんだ。
「…それなら、よかったです…っ」
しぼりだすような声でつぶやいたねむを、わたしは落ち着くまでずっと抱きしめた。
※※
『もうかえるの？』
「ええ。ここから我々国まで距離がありますので」
ねむはめがねをなおし、庭へとでた。
『ねぇ』
「はい」
『わたしはなにをしたらばけものになるの？』
じゅんすいに思った質問にねむはぱっと私を振り返った。
「…どうしてそれを」
『まんちゃんとか、ぐるさんとか、さいしょはなにかけいかいしてたの』
だからきっと、何かがあったらわたしは"ばけもの"になる。そんな気がした。
「…そんな事知らなくていいんです」
震える手を伸ばして頭をなでるねむ。
「いいんです。あなたはそのまま…幸せになってください」
『…うん』
わたしはうなずくことしか出来なかった。
ｰｰｰ
最近全体的に更新ペースが落ちてきてます。
すみません仕事が夏は特に多忙でして…身体壊さない程度に頑張ります。よろしくお願いします。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 833人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
へまとふぃりぃあ - 設定を見るたびに思うのです。とんかつ…食べるの？ぬいぐるみの豚にその名前つけたの？銀の匙かな？ 以上です。とても面白く、そのうち腹筋が割れるのではと心配です (2020年10月9日 21時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
はな - ハゲハゲそんなのいーやーでお茶ふいた (2020年10月2日 12時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最近お返事返せずすみません。リアルがかなり多忙でして、言い訳とわかってはおりますがコメントは全部ありがたく読ませていただいております。皆さんありがとうございます。次章までまたお付き合い下さると有難いです。 (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 我々箱推しさん» 書き方が悪かったですね！完結は次章予定です！続編はその後に執筆します！ (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
我々箱推し - 完結&続編おめでとうございます！続編も、黒瀬さんのこと応援します！ (2020年9月18日 18時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
