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___翌日

『…ん゛ー』
「Aちゃん、起きてや」
『…とん、…んぬ…』
「あーほら、布団潜ったらアカンよ」

起こしに来たトントンに布団を剥がされゴネるAを抱き上げる。彼はあまりの軽さに少し驚いたものの洗面所へ連れていき、顔を洗い髪を梳き後ろで纏めあげた。

「着替えは自分でな?出来るやろ?」
『…ん』
「よし、ええ子やな」

ポンポン、と大きな手で頭を撫でられ満更でもないように頬を赤くするA。ゾム以外にも少しずつ心を開いてるようでトントンもまた安堵の溜息を零した。

少しドアの前で待ち、やがてゾムのパーカーの下にシンプルなシャツとズボンを身につけたAがやって来た。それに少し驚いたトントンはなんでパーカーを持ってるのかと軽く問う。

『おへやにあった』
「あー…そっかあ…」

大方寝てる間にダクトから侵入して置いてったのだろうと推測しため息をついた。

『…んふ』

隣を歩く幸せそうに笑う少女に「まぁ、いいかと」トントンは小さく笑って手を引いた。

「今日は何人か仕事あるから居らんけど、気にせんでな」
『ぞむ』
「ごめんなぁ」
『……ん』

あからさまにしょんぼりする姿にトントンは謝りながらも食堂へとAを連れていくのだった。

※※

「ゾムはお仕事なんよ、許してくな」
『ん』
「美味しいか?」
「(プイッ)」
「グルさん嫌われとるやん草」
「やかましいぞトン氏」

隣に座るとんちゃんに頷き、反対側に座るぐるさん?の目を見て顔を逸らす。何か裏がある目をしてる。嫌。

「あ、今日戻ってくるショッピ君が前に言うてた捕虜何人か連れてくるって言うてたで」

だいせんせー?が思い出したように口を開く。

「なら今日はAちゃん部屋から出さん方がええな」
『…』

今日はぞむと少しでもお出かけできると思ってたのに、いきなり外出禁止だなんて聞いていない。

頬を膨らませれば隣に座る座るぐるさんが優しく頭を撫でてくれた。赤い目を見上げれば優しく細められていた。

「君に何か無いように徹底したいんだ。わかってくれ」
『…ぐるさんのおしごと?』
「そうだ」
『…わかった』

頷けばぐるさんは嬉しそうに微笑んだ。
ぐるさんは皆に指示を出してるから偉い人なのかな。なら色々考える事があるのは仕方ないのかな、なんて思った。

ご飯を食べ終えると同時に部屋に戻される。
とんちゃんはもう一度謝り部屋を出ていき、私はまた1人になった。

『…ぞむ……』

はやく、あいたい。

.

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くまくまちゃん(いろ)(プロフ) - おもろいです!夢主ちゃんが可愛すぎますっ!見た目年上でも中身絶対年下じゃん…(12歳) (2020年11月5日 23時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だ!より、とりあえず、夢主ちゃんが、可愛い(°∀°) (2020年9月24日 5時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主ちゃんが可愛っかったです。(作文風)せーの、「はげー」すいませんした (2020年7月29日 5時) (レス) id: c58c36be65 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - 夢主ちゃんかわぁぁぁぁ!!悪戯好きなのかわいっ!みんなも夢主ちゃんと言おう!せーの、「はげー」(((ごめんなさい (2020年7月28日 23時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
茉鈴(プロフ) - まって?この子好きなんですけど。可愛い顔して怖いこと言うさ?毒舌の子?が好きなんよー!!!ごめん独り言です。 (2020年7月26日 17時) (レス) id: 3c50c30f7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒瀬 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月29日 15時

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