33 ページ34
夜。晩御飯を食べ終えたゾムは席を立ってAの頭を撫でた。
「…A、少しの間大人しく皆の言うこと聞くんやで？」
『む？』
もっぎゅもっぎゅとハンバーグを頬張りながら不思議そうに見上げるA。
〜〜〜
「また仕事やねん。数日間部屋空けるな？」
『…(しょぼん)』
髪を撫でた手にそっと触れるA。
『…はやくかえってきてね？』
「わかっとるよ」
〜〜〜
「(…なんて、寂しく思ってくれるんかな？)」
にしし、と妄想を繰り広げ笑うゾム。
だけどAはゾムの背中を押し、ばいばいと手を振った。
『いってらっしゃーい』
「ん？え？あ、お、おう」
元気よく送り出され、こんな筈じゃなかったんやけどなぁ…と少し寂しく思いつつもゾムは仕事へと向かうのだった。
※※
『…ねれない』
ベッドのうえでころころ転がりながら目をつむってすうじゅっぷん。
ねれません。ぞむもいないし。
『…むぅ』
とんかつを抱きしめたままへやを出る。
向かったのはとなりのまんちゃんのへや。
『まんちゃん、まんちゃん』
「…ん？Aちゃんか？」
『あけてー』
こんこん、とトビラを叩けばゆっくり開いてインナー姿のまんちゃんが姿をあらわす。いつもの軍服じゃないから、なんかしんせんだね。
「どしたんこんな夜遅くに…お肌に悪いで」
『ねれないの。ねむくなるまでいっしょにいていい？』
とんかつを抱きしめたまま見上げれば、まんちゃんは「ええよ、おいで」と優しい声でわたしの手を引いてくれた。
おへやはシンプルにまとめられていて、ランプの淡い光がおへやを照らしていた。
「夜のお茶会やで。ホットミルクで良ければAちゃんも参加するか？」
『うん！』
あんないされた席に座ってまんちゃんがホットミルクをつくる姿をじっとながめる。カチャカチャと食器にスプーンがときおり触れる音がここちよい。
「ほい、チョコ入りホットミルク」
『ありがとう』
うけとりゆっくり口をつける。
ほんのり甘い風味がして、おいしい。
『んふふ、あまい』
「甘いの美味しいよなぁ」
『おいしいねー』
「Aちゃんのほっぺも甘くて美味しそうやね」
つんつん、と指でつつかれくちびるを尖らせる。
『おいしくないよ』
「えー本当？齧ってみようかなーえいっ」
『やーだー』
とんかつに隠れるようにガードすれば「あーもー可愛ええなぁ」とわらってた。
まんちゃんの笑顔、好きだなぁ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまくまちゃん(いろ)(プロフ) - おもろいです！夢主ちゃんが可愛すぎますっ！見た目年上でも中身絶対年下じゃん…(12歳) (2020年11月5日 23時) (
レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だ！より、とりあえず、夢主ちゃんが、可愛い(°∀°) (2020年9月24日 5時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
闇(プロフ) - 夢主ちゃんが可愛っかったです。(作文風)せーの、「はげー」すいませんした (2020年7月29日 5時) (レス) id: c58c36be65 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - 夢主ちゃんかわぁぁぁぁ！！悪戯好きなのかわいっ！みんなも夢主ちゃんと言おう！せーの、「はげー」(((ごめんなさい (2020年7月28日 23時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
茉鈴(プロフ) - まって？この子好きなんですけど。可愛い顔して怖いこと言うさ？毒舌の子？が好きなんよー！！！ごめん独り言です。 (2020年7月26日 17時) (レス) id: 3c50c30f7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
