幹部は彼女を甘やかし隊【d! / all】

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kn side

任務終わりに煙草を吸おうと移動中、チーノが誰かと話している声が聞こえた。大先生かショッピ君かな、と思って覗いてみれば、見慣れない真っ白な髪の女を捕まえとった。

観光客か？とも思って物陰にかくれながら様子を伺う。やけどそいつは武器を取り出す素振りもなければぐっと腕の痛みに耐えてるように歯を食いしばっとった。

「…チーノ、やめたれや」

思わず掴んどる手を振り払う。
女は目に涙を溜めて怯えたような目でチーノを見とった。腕も赤く、肌が白いからか一層痛々しく跡が残って見えた。

「何でですかコネシマさん。もしかしたら観光客かもしれんのに」
「グルッペンが後で話がある言うとったやろ？もしかしたらこの子の事かもしれへんやろ」
「…えぇ〜？」

まさかぁ？と言う顔をするチーノを他所に屈んで座り込んでるそいつに目線を合わせる。

「チーノがすまんな。悪気があった訳やないねん、許したってな」
『っ、ひ…っ』

そう言って頭を撫でようとするが小さな体を跳ねさせカタカタ震え出す。
まあいきなりナイフを突き立てられて脅されたんやもんな、怖くない訳が無い。

『ごめ、なさい…ごめんなさい…っ』
「…こら完全にアカンなぁ」

泣きじゃくる子供をどうしたものかと少しだけ悩んだが、とりあえず腕の怪我をどうにかせんとアカンと思って泣きじゃくる子供の腕を引く。

そのまま抱っこしてやれば、最初は驚いたものの、目を見てすぐ腕を伸ばしてきた。

『…う゛…うぅ゛〜っ』
「ビックリしたなぁ。もう大丈夫やからな」

背中をポンポンと優しく撫でてやる。その光景をチーノはポカンと見つめていた。

「…そいつ本当に信じていいんですかね」
「信じるも何も、まず子供を泣かせたらあかんやろ」
「心無いシマが立派な事言っとる…？！」
「シバくぞ阿呆」

舌打ちしながらそのまま自室へと向かう。確か湿布くらいはあったはずやな。

「でもなんでコネシマさんがその子供そんなに気にかけるんです？」

追いかけてくるチーノにそう問われて首を傾げながらそれに答える。

「んー…わからへん、けどなんか…守ったらなアカンって思ったんよなぁ…」
「…へ？」

なんでかわからんけどな。
そう言いながら部屋に入り、湿布を貼って治療してやる。

「これでええやろ」

痛くないか？と聞けば子供は泣きやみにっこり微笑んだ。

『ん！あり、がと』
「…気にせんでええで」

心がじんわりと、温かくなった。

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