色々な世界のお話。 (ページ1)

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汎宇宙軍の夢。［エマ］ページ1

「ばかばか！五月蝿い！！全然わかってくれないじゃん！」

軍人になりたい、その夢を叶えるべく僕は旅に出たのだ。
宇宙をまたにかけ、世界を護る軍。

僕は汎性ではない。
だから、汎宇宙軍には所属することは出来ない。

そんなの目に見えてわかっている。

汎化処置を受ける気もない。僕は女だ、それは確定事項。

軍に入りたいけど、汎性ではない。

矛盾を産むそれらは僕の中で渦巻いていた。

親の反対を押し切ってまで基地を抜け出したのは、女の僕も軍になれる！と心のどこかで思っていたからだろう。

色んな星を転々とした。明日の命すら信じられない世界で。

そして、気付いたら軍人になっていた。
汎宇宙軍に所属することが叶っていたのだ。
僕は汎化処置を受けていない。つまり、女でなったのだ。
軍人、と一言にいえど、ピンからキリまで。
最初の方は底辺的な階級だったものの、僕はかなり上まで登りきってしまった。
今では大将という称号も貰った。

とはいえ、裏方にひきこもり、作戦を練り、それを下の人に伝えただけ。
僕の仕事は所詮そんなものだ。

それだけでここまで登ったのだから、ある意味はすごいのだろう。

グノーシア感染者に汚染された星に渡ってしまった時は死ぬかと思った。
本当に、明日はもう来ないものだと思った。

けれども、それは違った。

セツによって僕は助けられた。
慌てふためく僕とは正反対の、僕の後輩。

僕は自分の力を過信しすぎていたのだろう。
階級に縋っただけ。

阿呆みたいだ。はは。

僕はセツから学びたかった。
どうすればセツのような、立派な軍人になれるのか。

学べることは、何も無かったけれど。

凄くかっこよくて、いつでもどこでも先陣切って進むセツの姿に、憧れを抱いたりもした。

けれども、僕は彼女のようにはなれなかった。