May all your dreams come true...【本編】 (ページ10)

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幸せの1ピースページ10

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「いらっしゃいませ、お客様。お求めの元は見つかりましたか？」

「すみません、この色のMサイズってありますか？」

「Mサイズですね、少々お待ちください」

私のバイトは服屋だ。

ここバイト特典で服貰えるし。

「Mサイズありました。こちらのご購入でよろしいですか？」

「はい。お願いします」

にしてもこの人綺麗だな。

ついつい見惚れてしまう。

こんな人が主人公の小説を書こうか。

「では、1650円となります」

「カードで」

カードを読み込み、会計を済ませる。

また客の接待に向かおうとした時だった。

チャラチャラ系の男の人が、私に近づいてきて、いわゆる壁ドンのシチュエーションになったのだ。

「お姉ちゃん可愛いね。ちょっと俺らと遊ばない？おいで」

抵抗できないほどの力で店の隅に引っ張られる。

「あのさ、お姉ちゃん美人だよね。俺ここでバイト始めた時から知ってんの。付き合おうよ」

突然の告白に、私は目を見開いて固まってしまう。

「ね、断るわけないよね」

お尻や胸を触られる。嫌だって言いたいのに、声が出ない。

「これも客の接待だよ。ほら、ちゃんとしなきゃ」

男の声がどんどん甘くなっていく。

私が怖さで抵抗できなくなったのを確認して、唇が唇に触れる＿＿＿＿＿

「好きだよ、桃花ちゃ＿＿「わいせつ行為で通報しますよ！」

間一髪で、男の舌打ちが聞こえた。

聞こえた同僚の声に、安堵する。

まだ男の吐息が耳にかかっているようで背筋がゾクゾクする。

「桃花さんの姿が見えなかったので、心配したんです。大丈夫でしたか？」

「ありがとう。大丈夫………ではないけど、平気」

その後男は店長に捕らえられ、警察に引き渡されていた。

私はその後、早退させてもらい、ショッピングを楽しんだ。

今考えれば、こんなことなんて、幸せの1ピースだったんだ＿＿＿＿＿