May all your dreams come true...【本編】 (ページ2)

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日常/久遠美月ページ2

「蓮ー！遅刻するってば！早く起きて！！」

「え、もうそんな時間！？なんで起こさないんだよ！」

「1時間前に起こしました！私まで遅刻しちゃうから準備急いで！」

…デジャヴだ。我が家…久遠家はほぼ毎日この会話から始まる。
遅刻寸前まで寝続ける兄の蓮を私が叩き起こすところまでがワンセット。因みに今日はあまりの起きなささにベッドから突き落としてやりました。
まぁ、毎日イケメンな兄の寝顔を拝めるならいいかも…と思ってしまったけど。

私は久遠美月。中3。で、バタバタしているのが兄の久遠蓮。高3。今日から新学期が始まるのにも関わらず遅刻しそうなのです。

「もういい！蓮遅いから置いてく！」

「え、ちょっと！」

…もう待ってられないので先に出てやりました。

学校に着くと、私の大切な親友が迎えてました。
時間は既に予鈴まであと3分。酷い時は1分前とかだったからまだ今日はマシです。

「美月ーーー！遅い！ほんっと遅い！」

「ほんとだよ！今日休みかと思って焦ったんだから！ね、雫！」

「いや、ごめん…。今日も蓮が寝坊してさぁ…。」

親友である雫と詩織。二人は幼稚園からずっと一緒に居てかれこれ10年以上で、安心して過ごせるし逆に居ないと寂しいくらい。

「あ！やっばい、今日数学のノート提出じゃん！見せて！」

「えー？また詩織忘れたの！？」

「しょーがないなぁ。貸すから急いで終わらせちゃいなよ？」

「まじ美月女神！美月様！」

　

　
　私はいつも優しくてかっこいい兄と、仲の良い自慢の幼なじみがいた。

　毎日がとても楽しかった。

　あの日までは。

　何か悪いことをしたのだろうか。そんな覚えもないのに。

　急に訪れては幸せな日常を奪い去った。

　戻してよ。

　
　 …私の日常を。
　