逢いたくて

予想してた未来 ページ27

慧人side




アヤ「春なのに、風冷たいね。」



慧人「うん、寒い？」



アヤ「寒いって言ったら何してくれる？」



慧人「上着貸す。」



アヤ「じゃあ慧人くん寒いじゃん 笑」



傍から見たら幸せなカップルに見えるのかなあ？



誰が別れる前の最後の散歩だなんて考える？



アヤ「ねえ、もうひとつお願い見つけちゃった！」


慧人「僕にできることなら。」


アヤ「バイバイの、ギュー。」


慧人「ギュー。？」


アヤ「そう。アヤね、結構好きだったの。慧人くんとギューってする時間。最近慧人くん忙しくてそんなこと言ってられなかったでしょ？疲れてるの知ってたから、アヤも言えなくて。最後だから、いい？」


アヤもに気遣ってくれてたのに、気付かなかった。
ずっと僕のこと考えてくれてたのに。



慧人「こんな僕とギューしたいの？」


アヤ「そう。そんな慧人くんだからギューしたいの。」


慧人「ん。」


今日は憎いほど眩しい月と星が夜空いっぱいに広がってて。なのにいろんな建物で遮られてて。


アヤの形、アヤの匂い。


ごめん、ごめん、っていっぱい謝りながら
いろんなこと思い出して泣きそうになる。




君に逢いたくてした事だったのに。
君が見てるとかそんな事考えてなくて、ただただ


「ねえ今日空いてる？」


って明日LINEすることだけを考えてた。



君を遠ざけるなんて考えもしなかった。

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