逢いたくて

したいこと ページ26

慧人side



今日で別れる。

何回もそう思ってずっと明日、明日って繰り越して来た。



慧人「アヤ、今時間ある？」


アヤ「わたしも、話したいことあるんだ。」


慧人「アヤから話す？」


アヤ「慧人くんからがいいな。」


アヤごめん、ちゃんと好きだった。ずっと思ってた。辛い時も一緒で、嬉しい時も、楽しい時も、悲しい時も一緒だった。


一人の女の子に出会っただけでこんなにも儚く、音を立てて見事に崩れ落ちて行くのなんて想像もしてなかったけど。



慧人「別れて欲しい。」


アヤ「うん。」


慧人「これまでちゃんと好きだったし、嘘はなかったよ。」


アヤ「有難う、アヤも。」


慧人「アヤの話って？」


アヤ「アヤ、何となくわかってたんだあ、今日でバイバイだって。だから、最後に何したいかな〜って考えたの。そしたら、ひとつしか浮かばなくて。」


慧人「なに？」


アヤ「二人で夜の街を散歩したいの。これまで二人で歩いたりしたこと無かったから、ちょっとした夢で。」


慧人「行こっか、散歩。風邪ひいちゃダメだから暖かくしてね。」

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