【歌い手】Is she loved by…？

五話。 ページ7

「ごちそうさまでした、……ねぇ、Aちゃん！このあと…一緒に配信とか…ゲームとかしない、？」

…きた。
多分、…いや、絶対に何かある。
夢小説を歌い手になる前は嫌というほど漁ってきたからなんとなく、わかっていた。

…こういう場合はカメラと、ボイスレコーダーを持っていくのが大切なんだろう。
…あと、声を出す練習も。

「いいよ、何しようか、」

勘ずかれないように、表面では平静を保とう。
気づかれたら……それこそ、ここでのゆるふわ(果たして今もそう言えるのか怪しいが)ライフが終わりを告げる。
あいつの…思い通りには絶対にしたくない。

…嗚呼、…あと、裏切られる覚悟も必要だね。
友情なんて、どれだけ重ねても…すぐに切れてしまう薄っぺらいものだから。

そして…花ちゃんの部屋へと。

ボイスレコーダーはもちろん電源を入れている。

「ねぇ、…まふくんと、どういう関係？」

…あぁ、まふくん推しなんだ、この子。
歌い手としては私、うらたさんが好きだったりする。感情の込め方や、生放送でのリスナーへの対応や。
いや、話がずれた。

「…ただの、友達ですよ。それはそれは、…ネットで繋がった。」

「…そう、ならいいんだけれど、……私ね、まふくんのことが好きなんだよ。……でも、まふくんはあなたの事が好きみたい。」

それでカッターキャーでもするんですかね。
でも彼女はそんなことは言わずに、用事はこれだけ、と私を部屋から追い出した。

…なんだったんだ…？
私は不思議に思いながらも、夜遅いので自室に戻り、普通に寝た。


けれど…それは翌朝、知ることになる。

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