十八話。 ページ20
大広間のドアを開ければ刺さる視線。
痛い。怖い。
そんな気持ちを和らげるようにまふくんとなるせちゃんが前にたって私を先導してくれた。
「ハーイ、今日のメニューはシチューだよ。」
「そらるさんのシチュー、オクラとか、長芋入ってそう…」
「まふまふはご飯抜きな、」
「冗談ですよぉおおおお!?」
どうやらまふくんが変なこと(失礼)をいったお陰で、みんなの意識がそっちにいき、私は何も言われることがなかった。
「…チッ」
私の向かいに座ってた彼女は私にしか聞こえないように小さく舌打ちしていた。
可愛い顔には似合わない、ひどく歪んだ顔。
内面が外に出てきてしまっている。
私は何も見てない、と言う風にそらるさんのシチューを口にいれた。
「A、…その、」
「…なぁに、96ちゃん。」
ご飯を食べ終わり、私を呼び止めたのは96ちゃんだった。
他のみんなはご飯の片付けをしていたり、ソファーの周りで談笑していた。
「…ごめんなぁ?…その、Aがやったとは思ってないんやけど…。怖くて、庇えんくて…ごめん、ごめん…」
「いいよ、96ちゃんは悪くないから。…気をつけて、私と話してるとターゲットになっちゃう」
「で、でも…、わっ…」
軽く、96ちゃんの肩をつかみ、みんなのとこへ押し出した。
じゃあね、と小さく手をふり階段をあがって、自分の部屋へと戻った。
パソコンを起動すれば、私達が作った曲がファイルとして、一つ新たに追加されている。
再生ボタンを押し、流した。
「…嗚呼、誰も彼もが右へ倣え。こんな遊びはもうたくさん。私も君もそうだろう?届いてほしくてもがいて、でも届かなくて。」
気づけば勝手に口が動いて、歌っていた。
ドアの前でその歌を聞いて泣いてる人がいることにも気づかずに。
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桜餅@そらなー - 熊ねぇ→RONONさん» か、神…、!?いやいや、ないです!w ただの駄作者です、(真顔)コメントありがとうございます! (2020年1月11日 18時) (レス) id: 3b252da90e (このIDを非表示/違反報告)
熊ねぇ→RONON(プロフ) - えっと…控えめに言って神かな??? (2020年1月7日 11時) (レス) id: 873b1f45bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅@そらなー - 凛さん» ありがとうございます!!! (2019年9月28日 20時) (レス) id: 3b252da90e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 受験頑張ってください。遅くても全然いいです。このさき楽しみに待っています (2019年9月28日 16時) (レス) id: 5b04c87de6 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅@そらなー - 凛さん» ありがとうございます…!受験生なのと、今、中間が被ってるのでめちゃくちゃ遅いですけど頑張って更新します…!! (2019年9月28日 13時) (レス) id: 3b252da90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅@そらなー | 作成日時:2019年5月10日 19時