不良=恐怖とは限らない。【男主】

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競技も順調に進み、熱りが冷めないまま最後の競技のクラス対抗リレーへ。
アンカーに選ばれたAはタスキを掛けのんびりと待つ。

クラスの応援がガチな所が沢山。俺のクラスもなおさら。



✱



リレー定番のクラシック曲が流れグラウンドは更に盛り上がる。

リレーが遂に始まり、俺のクラスはスタートダッシュが上手く行かず初手から最下位になってしまったようだ。
それでも、何とか挽回しようと徐々にスピードが上がっていき、次の走者に渡るときには上位に上がってきていた。


「きゃあ〜!!!真さん頑張って〜!!!」


他の応援より際立って聞こえる高い声。
見れば茶髪の女もとい、京極のヨメが精一杯応援していた
どうやら、今の走者は京極らしい。
京極も一際目立つカノジョからの応援を嬉しく思いつつも恥ずかしい気持ちもあったのか、少し曖昧な表情をしていた。

それから順調に渡り、俺の前の走者に渡りコーナーを過ぎた時に足を滑らせ転倒してしまった。

応援席からは「あ〜…」という落胆の声が聞こえた。


『おい！』


声援が騒がしい中、俺はソイツに向かって叫ぶ。
少しシン…と静まり返った。


『まだ走れる気力あるなら走れ!!!』

「でも…ｯ」

『つべこべ言うんじゃねｪ!!俺が挽回してやる!!!』


安心させるようにニッと笑う。
それを見たソイツは決意したかのように立ち上がった。

膝から血が流れても必死に走る。
そして、バトンが渡された。

アンカーは一周半走らされる。
トップとは半周の差。なら、余裕だ。

本気を出すのは久し振りだなと、呑気に考える。
風をきるのはバイクに乗ってる時よりは全く感じない。

あっという間に追いつき、最後のコーナーでトップを抜かし、ゴールテープを切った。


✱


大逆転したクラス対抗リレーは俺達の勝利。
そのお陰で全体得点も上がり総合優勝を果たした。


俺はリレーの事もあり暫く注目の的になった。
それが嫌で暫く学校に行かなかったのは言わないでおこう。


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