KAMAKURAクリニック3 (ページ10)

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髄膜炎ページ10

向「うっわ、39.4って上がっとるんちゃうの」

こーじの反応は驚いたって感じだけど…
これはやっぱ風邪じゃない。なんかあるよね。
座薬入れる前にさっと診察してしまおうと近づいたら
こーじも診察しやすいよう場所を開けてくれた。

深「A、お熱しんどいね。他は？もう気持ち悪くない？」
「ちょっとだけ……」
深「点滴から吐き気どめいれてみようね。ちょっと顔触るよー」

うわ、あっつ。
目の下を確認して、触診しようと手を持って行ったら熱い、熱い。
そーっと首元に触れたら、一瞬Aがビクッと震えてすぐに手を止めた。

向「ん？A、どしたん。」
「頭…痛い……し。首…変かもっ……泣」
向「え？首？？」
深「まさかっ。ね、A首動かせる！？」
「動いたら…痛そう…な感じ」
向「えっ、もしかして…」
深「ん。そうかも。ごめんね、A。俺が動かすよ」
「んやぁっ… だめぇ……っんんんんっ！！
いたぁぁぁっぃっ」

Aの頭をそっと持ち上げて顎を胸に近づけようとすると、絶叫に近い叫び声。
ダメじゃん。予感的中。やっぱただの風邪じゃない。
髄膜炎かもしれないから、すぐにMRIと髄液検査しないと…

深「こーじ、すぐ照のとこ連れてく。みんなに連絡して、車出してくれる？俺、照に連絡するから」
「んんっ。やぁっ…いかなぃ…」
向「大丈夫やで。ちょっとふっかさんと待っててなぁ」

宥めるのもそこそこにこーじが走ってクリニックに戻った間に、照に連絡。
風邪の後だし、症状からおそらく髄膜炎確定だろう。
救急で検査した後すぐに入院できるよう内科のベッドも手配してもらってこーじの車に乗り込んだ。

向「後ろ、フラットにしてあるから楽な体制にしたってな。みんなに状況伝えたし、照兄は？どやった？」
深「そのまま入院だろうから、内科の個室用意してもらうように調整してくれるって。」
向「入院かぁ…」
「にゅっ…ぃん…？、」
深「症状から見て髄膜炎なのね。何かあった時クリニックだとすぐに対処できないから照のとこ行こうね」

しんどさもあって、グズグズしながらもフラットにされたシートに横になってくれたA。
病院ついたら、MRIはともかく痛みの伴う髄液検査もしなきゃいけない。
泣いて嫌がるのは目に見えてるけど、このまま家で見てる訳にもいかないからねぇ。
うわごとのように、「痛い」と呟くようになったAの手を握るしかできないまま病院に向かう。
ふぅ。
俺が、しっかりしなきゃな。