KAMAKURAクリニック3 (ページ9)

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深澤side

舘さんからAを任されて
佐久間からは「朝から無理やり吐かせちゃったしねぇ。警戒心強まったかもー」とハードルをあげられて…
1人Aについてるラウールと交代しようと様子を見にいく事に。

深「ラウ、お疲れ様。クリニック戻っていいよ」
ラ「ありがと。少しは楽になったかな？眠れてもすぐ起きちゃう…」
深「ラウが側にいてくれて安心してるよ。ありがとね」
ラ「手が空いたらまた来るね。……うわぁっ」

ラウールが立ちあがろうとしたら、急にバランス崩して俺の方に倒れてくる大男。
なになに、ラウールも調子悪いのか？

ラ「ごめ…。あ、服の裾掴まれてたみたい。かわい。笑」
深「なんだぁ。ラウも調子悪いのかと思ったじゃん。ってお前器用だな」

掴まれた裾を離させるわけでなく、掴ませたまま器用に自分が体を駆使して動き服を脱いでいくラウール。
見惚れていると、無事Aの手にはラウの抜け殻みたいに服だけが残った。
抜け殻もでけぇわ、ラウール。わら

しばらく様子見てたら、ほんとに苦しそうで。
解熱剤使ってあげたいけど、朝からまだ時間が空いてないからホントにしてあげられることがなくて心苦しい。
ぐっすり眠れてないのがわかるくらいうなされてるから、まだキツいよねぇ。

ようやくあと15分くらいで次の薬が使える時間。
タイミング見計らったようにこーじが入ってきた。

向「A、どうなん？」
深「辛そう。そろそろ座薬でも入れてあげようかなーって」
向「うわぁ、A嫌がるやろ。」
深「そりゃあ、ね。でも、点滴あんまり効いてなかったみたいだし、ちょっと変えてみようかなって」
向「吐いちゃったんよな？内服無理なら、しゃあないか。」

頼んだわけじゃないけど、手伝ってくれるみたいだからAが起きたタイミングですぐ始めれるように準備してたら、ゴソゴソとAが目覚めた。

深「おはよ。まだ、辛そうだねぇ。」
向「ほんまや。おめめとろーんとしてる。お熱測ろか。座る？そのまま？」
「んっ……ﾋｯｸ…泣」
深「そのままでいいよ。こーじがやってあげて」

目の感じ、推定39度ある。
体温計近づけてもボーッと動かない。
どこか、いつもとは違う感じに診察する前から違和感満載の俺。
こういう勘は働く方だと思ってる…
うーん……なんだろなぁ。
Aちゃんを苦しめてるのは。