KAMAKURAクリニック3 (ページ20)

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向井side

「お願いっ、内緒にしてっ」
向「そう言われてもなぁ…」

入院の用意取りに行って、舘さんを車に乗せて帰ってきた。
舘さんが入院手続きしてる間に部屋いったら検査後最初のトイレに付き添って欲しい言うからついてきたんやけど…

念のため多目的トイレに座らせてドアの外で待っても中々出てこんから断りを入れてそーっと覗いたら
顔面蒼白のAを発見。
ズボン上げるのに立ったらふらついたらしい。

幸い頭ぶつけたとかないみたいでよかったけど、部屋で待ってる兄さんたちには黙っとけと。
俺がそんなん隠し通せるわけないやん！

向「とりあえず部屋戻ろ。車イス借りてくるな」
「歩くもん…」
向「あかんよ。せめて抱っこやな」
「バルンいれられる…っ泣」
向「あー。笑」

そういう話が出てたんやな。
そら、嫌やろうけどだからっておしっこ溜め続けるなんて無理な話やし。
検査後ってだけじゃなく熱も高いし、しばらく安静にする間だけでも入れたら体は楽なはずやけど…
女の子やしな、精神的に嫌やって気持ちはまぁわかる。

向「ほんなら俺がお願いしたるわ。誰かおる時は必ずトイレ付き添うってな。でも毎回ふらつくようなら、バルンせなあかんのよ？」
「ん……っ。あの先生…ふーま先生？許してくれへんと思う…なんか怖いもん。」
向「別に怖ないよ。Aは周りにドクターおりすぎて知らんドクターに診てもらうことあんまりないもんな。」
「めっちゃ抑えてきたんやから、あの先生。」

ふふ。
俺と2人で話してるとたまにでる関西弁。
関西人の俺でもちょっとドキってしてるのは内緒。
部屋にはすんなり戻りそうにないからこっそりふっかさんに連絡入れて、しばらく自販機の前で休憩して帰る事にした。