幸せな家族のはなし３ (ページ25)

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［６－３］ページ25

潤side

「和、ほい」

「ん、ありがとう」

雅紀にぃから花火を2本受け取って
1本を和へ渡してやる。

さっきは少し夏バテも入って雅紀にぃの
テンションについていけてなかった和だけど、
今は口角も上がって、調子もよさそうだ。

現に、俺と一緒に花火を付ければ
目をキラキラとさせて「わっ」とぱちくりさせた。

「潤、凄いよっ！」

黄色と紫色がメインの花火は和と俺のが
交わると強く重なるように光り散っていく。

「すげぇ～綺麗だな！」

久しぶりにする花火に
俺もかなりテンションが上がる。

持っている花火が終われば、
和と一緒に雅紀にぃの元へ。

そしたら花火の袋をまるまる1つ渡してくれて
和と一緒に様々な花火からまた1本を選んだ。

「潤、次はこれ！」

「あ、ネズミ花火！」

スタンダードな花火を繰り返し
選んだあとは特殊な花火へ。

輪っかのように丸いネズミ花火を持ち出した
和と一緒に雅紀にぃへ声をかける。

これはさすがにロウソクじゃ無理だからね。

「雅紀にぃ！これやろ！」

「あー！いいね！
俺が付けるから離れて～」

「はーい」

もう汗だくに楽しんでる雅紀にぃに頼めば
ノリノリでライターを取り出してくれる。

それから俺と潤は少し離れたところから
雅紀にぃを見守って。

ネズミ花火へ火をつけたら雅紀にぃも俺達の方へ。

すると先程の手持ち花火とは違うように
地面へ火花を暴れながら散らし始めた。

「うわー！すっごい！」

「やば！」

「くふふっ、雅紀にぃ危ないよ！」

異様に暴走するネズミ花火に
近づいて逃げる、と繰り返す雅紀にぃ。

それに和は楽しそうに笑って
「凄いね」って俺の肩を揺らす。

雅紀にぃは俺達のネズミ花火が終わる前に
他の袋から同じ花火を取り出し始めて。

「2個目、いくぞー！」

「うわ、こわ！」

「あひゃっ！あっぶねー！」

2つ目を付ければさらに勢いが増して
雅紀にぃがこちらへ逃げてくる。

そしてそれが終わると、
次は火花が真っ直ぐ強く放つ花火。

そこからは雅紀にぃも一緒に混じって
思ったより威力の強い花火に驚きながら
3人でぎゃあぎゃあと楽しんでいた。